「思考」と「感情」の違いがわからないと、ストレスが倍増する!

 

今回は、健康を保つことや安全な人間関係を維持するために必要な、最も基本的な話をしたいと思います。

 

私は研修の時に、受講者の方によくこのように質問します。

 

「思考と感情の違いはわかりますか?」

 

さて、あなたはいかがでしょうか。

 

思考と感情の違いと聞いて、すぐに理解できますか?

 

ここで意識してほしいのは、国語的な意味合いではなく、感覚的な理解です。

 

あなた自身の心と体の感覚で、思考と感情の違いをつかめますでしょうか。

 

この感覚的な理解が簡単にできるという方は、(あくまでも私の印象ですが)ストレスと上手に付き合うことができ、健康的な生活を送れている方が多いかもしれません。

 

逆に、「え?思考と感情の違い?」と混乱してしまう方は、体調を崩しやすかったり、人間関係でストレスを溜めこむことが日常になっていたり。

 

そんな傾向の方が多い印象を持ちます。

 

もし、今の時点でよくわからないという方は、ぜひこのブログを最後まで読んで、ご自分のことを振り返ってみて頂きたいと思います。


感情とは、ものごとや対象に対して抱く気持ちのこと。

 

感情は、「イヤだ」「つらい」「悲しい」「怒り」「不安」のようにネガティブなものから、「嬉しい」「好き」「楽しい」「ワクワク」などポジティブなものまで、

 

日常生活で起きる様々なことに対して、自然に湧き出るものです。

 

悪口を言われれば「辛い」「悲しいな」という気持ちになったり、困っている時に助けてもらえれば「嬉しい」「好き」といった気持ちになったりしますよね。

 

これが感情です。

 

以下、感情の種類をまとめたものです。参考にしてみてください。

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思考とは、知識や経験をもとに考えること。

 

思考は、考えや思いを巡らせる行動です。

 

例えば、上司に挨拶をしても返事がなかった時に、「あれ?無視された?私って嫌われてる?」とか「聞こえなかったのかな。もう一回伝えてみよう」などと、あれこれ頭の中で考えますよね。

 

これが思考になります。


思考と感情がせめぎ合うと、葛藤が起きる。

 

「会社に行きたくないな。今日はゆっくり寝ていたいな。イヤだ!起きたくない!」

 

「イヤだ」という感情が生じた時に、ここで感情に従うことができたらとても楽ですよね。

 

でも、実際はそうはいきません。

 

「休むわけにはいかない!」「頑張って起きねば!」と考え、頑張って起きて会社に行く。

 

そんな経験は誰しもあるかと思います。

 

このように、感情と思考がせめぎ合うと葛藤が生じます。

 

会社が休みなら、「今日は楽にのんびり寝ていよう!」と感情に従って行動できますよね。

 

だからみんなお休みが好きなんです。

 

でも、仕事では、いつも感情に従って行動していたらトラブルになりますよね。

 

イヤだなと思っても起きて仕事に行かないといけませんし、怖いなと思っても、苦手なお客さんの電話に出ないといけません。

 

だから、仕事をしていれば葛藤は生じやすくなるし、ストレスも溜まりますよね。


ネガティブな感情を受け入れると、ポジティブな感情を増やす意識が持ちやすくなる。

 

ここで大事になるのは、自分に生じるネガティブな感情を認識することです。

 

「今日は嫌な仕事を頑張ったぞ!」

 

「今日のお客さん、怖かったな。また来週も来たら困るな。怖いし不安だな」

 

こうやって、イヤだな、怖いな、といったネガティブな感情を受け入れていると、その感情を癒やす意識が働きやすくなります。

 

「イヤな気持ちになったから、今日はコンビニでスイーツでも買って帰ろうかな」

 

「今日は上司にむかついたから、同僚にLINEして愚痴を聞いてもらおう」

 

こうやって、ネガティブな気持ちを認めて受け入れるからこそ、その気持ちを癒やそうと行動するわけです。

 

このような習慣がついていると、ストレスに日常的に目が向くし、その都度上手に発散することができますよね。

 

このタイプの方は、健康を維持しやすく、思考と感情の違いについても体感で理解している人が多いのです。


精神論を好む日本人は、思考で感情に蓋をする習慣を持ちやすい。

 

一方で、心身のバランスを崩しやすい人は、これがとても苦手なことが多いのです。

 

自分に生じたノーマルな感情を認めて受け入れるというよりも、思考で抑圧します。

 

絵で説明すると、思考と感情が、このように上下の関係になります。

 

生じた「辛い」という感情に対して、「仕事をしていればこれくらい普通だよ」というふうに、思考で感情を押しつぶしてしまうんですよね。

 

「怖いなんて言っていたらダメだ!」

 

「これくらい耐えるのが社会人だ!」

 

例えば、受験勉強だったり、大事な仕事のプロジェクトだったり、ここ一番のふんばりが必要な時にはこういった考え方は大いに役立ちますよね。

 

でも、これを標準にして、日常的に、長期間続けるとどうなると思いますか?

 

本当は辛いのに、「辛いなんて思ってはいけない!」「これはもう終わったことだから、辛いなんて感じる必要はない!」と認めないわけですから、ネガティブな感情を癒やす行動をとらなくなりますよね。

 

それよりも、困難に打ち勝とうとより仕事にのめりこんだり

 

嫌なことを思い出さないように休日に予定をたくさん入れて動き回ったり

 

無自覚に、自分に鞭を打つような行動を選択しがちになるのです。

 

このように感情を抑圧する習慣がつくと、癒されない感情が蓄積されていきますから、ストレスはたまる一方です。

 

結果、心や身体、そして行動に様々な影響が出ます。

 

感情が癒されずに蓄積しますから、憂うつやむなしさ、怒りなどのネガティブな感情が慢性的に強くなりますし、感情のアップダウンも激しくなります。

 

また、常に消耗しやすく、不眠、動悸、過呼吸、食欲低下、すぐに風邪をひくなどの体調不良にも悩まされます。

 

「悲しくないのに勝手に涙が出る」というのも女性の方に特に多い印象があります。

 

行動面でも、お酒や食事、ネットなど、行動のコントロールが効かないといった問題も起きてきます。

 

加えて、不安が強いと相手の顔色を過剰にうかがってしまったり、または怒りが強くてキレてしまったりするなど、人間関係のトラブルも起きやすくなるのです。 (バウンダリーを保つ上でも、感情を扱うことは本当に大切なのです!)

ここまで読んでみて、あなた自身はいかがでしょうか。

 

対人援助職の方はとてもまじめで正義感の強い方が多いので、「患者さんを嫌いになってはいけない!」のように考えて自分を追い込んでしまい、燃え尽きてしまう人はとても多いと思います。

 

大切なのは、自分のノーマルな感情を受け入れて、上手に付き合っていくことです。

 

ストレス過多の対人援助職が燃え尽きを防ぐためには、自分の感情を扱うスキルが欠かせませんから、ぜひこのブログを読んで、感情を意識して生活する習慣を持ってみてください。

 

なお、抑圧する習慣が日常的になっていて、蓄積した感情が強すぎると、いざ感情を点検しようと思っても「今さら蓋を開けられない」という方も少なくありません。

 

そんな方は、カウンセリングの場面で、カウンセラーと一緒に点検していくことが安全で有効です。

 

ぜひ、お気軽にカウンセリングをご利用ください。