ゴールデンウイーク、シルバーウイーク、そして年末年始など、毎日忙しく働く人にとって連休はとても待ち遠しいものです。
家族旅行、友達との買い物や飲み会、ライブやスポーツ観戦など、連休は色々と予定が入るのではないでしょうか。
でも、せっかくこの連休を楽しみにがんばったのに、いざ連休を迎えてみると
高熱が出たり、咳が止まらなかったり、体が鉛のように重かったりと、なぜか具合が悪い。
そのために、せっかくの友達との約束をキャンセルせざるを得ない。
楽しみにしていたスポーツ観戦も、観戦中に咳が止まらない。観戦後の恒例の仲間との飲み会に参加できず、虚しい気持ちで一人だけ帰宅。
こんなふうに、謎の体調不良で連休を不本意に過ごすという方の話は、カウンセリングをしているとよく聴きます。
そして、そういう方にさらに詳しく話を聴くと、「連休の体調不良は、今に始まったことではなく前からしばしばあった」という方が多い。
これは、本当に辛いことです。
連休を楽しみに励みにがんばってきた方にとって、自分に対して腹立たしさを覚えるような、なんとも受け入れがたい気持ちになるだろうと感じます。
そして、原因がわからないこともまた悩みの種でしょう。
「次こそは友達と楽しく遊びに行きたい!」と思って、体調管理には気をつけているつもりでも、なぜか同じことを繰り返してしまう。
解決の見通しが立たない。重く苦しい悩みです。
そんなあなたに、ぜひ知っておいてほしい大切な話をします。
※ブログ執筆者 AIDERS 代表 山﨑正徳のプロフィールは こちら

ストレスが強い生活が当たり前だと、「体調管理のものさし」がどんどん狂う。
あなたのその連休の体調不良は、すべて理にかなっていて、説明可能なのですよ。
例えば、戦地で毎日命の危険にさらされながら戦う兵士。
強い緊張感は当たり前
いつ銃弾やミサイルが飛んでくるかわからない。
「怖い」「辛い」「苦しい」「嫌だ」
こんなネガティブな感情にも常にさらされているでしょう。
肉体的な疲労、精神的な疲労は常にピークに近い。
でも、倒れることは許されない。
こういう生活を送っていると、「体調管理のものさし」がどんどん狂っていきます。
「常に疲れている状態」がその人にとっての「普通」になる。
加えて、「辛い」「苦しい」「怖い」なんていう感情は、できるだけ意識しない方が戦いやすい。
感情を抑圧する癖がつく。
「辛い」を無視する。
なかったことにする。
これが習慣になる。
いわゆる、感情麻痺です。
ノーマルな感情がどんどん鈍くなっていきます。
結果として、
疲れている時に「疲れている」と正しく判断できるものさしが狂う。
何がストレスなのか、何が「辛い」なのか、何が「楽」なのか、よくわからなくなってくる。
このように、強い緊張感は、体の感覚も感情も思考も麻痺させていきます。
戦場の兵士で例えるとちょっと極端に感じるかもしれませんが、過重労働や強い人間関係のストレスに毎日さらされていれば、個人差はあれど同じような状態に陥ります。

前に、私がひどい過重労働を年単位で続けているシステムエンジニアの方とカウンセリングをした時に、
「一年前くらいから死にたいと思ってますよ。でも、それって何か問題ですか?普通のことじゃないですか?」といとも平然と言われたことがあります。
「死にたい」と言う方にはたくさん会ってきましたけど、あの平然とした言い方には驚きました。
あまりにも生活が過酷すぎて、自分の考えていることがどれだけ「普通ではないか」がわからないのです。
日々感じる苦痛や不調がどの程度リスクがあるか、判断できない。
言うまでもなく、とても危険ですよね。
こうやって、日々心身ともに高い負荷がかかっていて「相当に疲れている」状態の人が、連休を迎える。
無自覚ながら日々の緊張が少し緩む瞬間。
兵士が戦場を離れて自宅に帰る。ほっとひと段落した時に、ガクッと疲れを感じる。
戦場では4時間睡眠で良かったのに、自宅では泥のように眠り続ける。
これと同じことが起きやすくなります。
これまで蓄積していた疲労が一気に放出しやすくなる。
高熱、咳、ひどい疲労、過眠など、あなたを悩ます「連休の不調」の症状がまさにそれですよ。
克服のために必要なことは、辛いことを「辛い」と思えるようになること。
つまり、連休に具合が悪くなりやすいあなたは、「日々の疲れやストレスのレベルを、正しく評価できていない」のです。
あなたが思っている以上に、疲れ、ストレスが蓄積しているのです。
「え?私のこと?そんなに疲れているつもりはないですよ」
こう思ったあなた
だから、その自覚のなさが危険なんです。
慢性的な人手不足で毎日強いプレッシャーや不満にさらされていたり
性格的に責任感が人一倍強くて仕事を抱え込みやすかったり
完ぺき主義的で家事や仕事に手が抜けず、いつもあれやこれやと頭を回転させて動き回っていたり
同僚に傷つけられても、「仕事をしていればこれくらい当たり前」なんて言い聞かせて、いつも苦痛を抑圧していたり
そんな強いストレスが当たり前な環境にいることで、あなたのものさしが狂っている
何が辛いのか、何がストレスなのかもわからない状態になっている
そんなリスクを抱えている可能性がありますよ。
そのような状態から抜け出し、連休にきちんと予定をこなせるようになるには、体調管理のものさしを正常に戻すことが大切です。

つまり、辛いことを「辛い」と思う。
嫌なことを「嫌だ」と感じる。
負担なことを「負担だ」と認識する。
安心できる時間を「安心だ」と感じる。
こういうノーマルな感覚を取り戻すことです。
そのための方法として、お勧めなのはポジティブな感情や、楽な体の状態をきちんと味わうことですね。
カラオケが好きなら、カラオケをやって「楽しい」「嬉しい」をしっかりと味わう。
楽しい、嬉しいがわかってくると、「楽しくない」「嬉しくない」もわかるようになります。
これまで「辛い」と感じなかったことが、「けっこう辛かったんだ、楽しくなかったんだな」とより具体的にわかるようになる。
あるいは、マッサージや温泉にいって体をほぐす。
体が軽くなれば、「だるい」「重い」「痛い」がわかるようになる。
これまで「痛い」「重い」と感じてなかった体が、「けっこう悪かったんだな」とわかるようになる。
ノーマルな感覚を取り戻せるようになると、日頃から感情や体に意識が向くようになり、自分のことを今よりもっといたわれるようになりますよ。
結果として、連休に具合が悪くなることもなくなり、楽しく予定をこなすことができるようになります。
ぜひできるところからやってみてください。
また、普段カウンセリングでこのような課題を抱えている方と会っていると、人間関係が苦手で日常的にストレスを溜め込みやすい方が多いという印象を受けます。
あなたはいかがでしょうか。
仕事や家庭、恋愛や友人関係などで、慢性的に悩みや苦痛を感じていませんか?
「もう何を言っても無駄だから考えないようにしよう」
「私さえ我慢すればみんなうまくいくんだから、できるだけ波風たたないようにしよう」
こんな風に、人間関係においていつも無力感や不全感を覚えていませんか?
そんなあなたは、以下のブログ記事を読んで人間関係の課題を整理してみることをお勧めします。
ストレスに強くなる!人間関係の境界線(バウンダリー)の引き方
この連休中に、あなたが変わるきっかけをぜひつかんで頂きたいなと思います。