職場で自殺者が出たら、今すぐ読んでほしい職場の対応マニュアル

 

あなたの職場で自殺者が出るなんて、きっとその日が来るまで誰もが他人事ですよね?

 

でも、ある日その時が訪れたら。

 

職場は、そしてあなたはどうなると思いますか?

 

目撃者は深刻なトラウマを抱え、対応に奔走した責任者は燃え尽き、自殺という事実が引き金でスタッフ同士で犯人探しが始まり、健康問題、人間関係のトラブル、退職、ミス、事故などに発展していきます。

 

だからこそ、大切なことは一つ。

 

「万が一の事態に備え、正しい知識をつけておくこと」です。

 

このブログ記事は、主に以下に該当する方に向けて、職場で自殺者が出た場合の対応方法を説明します。

 

・職場で自殺者が出てしまい、何をどう対応したら良いのかわからずに今すぐ使えそうな情報を集めている責任者・担当者の方

 

・万が一の事態に備えて職場としての準備をしておきたいという方

 

必ずお役にたてる内容だと思いますが、文字だとどうしても限界があります。

 

より効率的に具体的なことを学びたい方は、80分で学べる動画を用意していますので以下からお申込みください(マニュアル付きです)。

 

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ご希望の方にはマンツーマンセミナーも行っておりますので、お気軽にお申込みください。


突然の社員の自殺。職場はどうなる?

昨日まで普通に仕事をしていた同僚が、ある日突然自ら命を絶つ。

 

そんな突然の惨事に見舞われた職場では、どのような事態が起きるのでしょうか?

 

主なものをまとめます。

 

▶自殺を目撃した人や、亡くなった社員と関係が深かった人を中心に、睡眠障害、フラッシュバック、倦怠感などの様々な症状が表れ、体調不良者が続出する。

 

▶自殺のあった現場に近寄れないなど、自殺に結びつく場所や状況を避けるようになる。

 

▶突然の惨事に対して適切な対応ができない職場に対する、社員からの不信感や不満が噴出する。

 

▶「彼を追い込んだのは部長だ」「誰も彼女をサポートしようとしなかった」など、犯人探しが始まり人間関係が悪化する。

 

▶もともと健康問題を抱えていた従業員の健康状態がより悪化し、欠勤、休職、退職などのリスクが高まる。

 

▶自らも大きなダメージを負いながらも、警察や遺族、顧客への対応などに追われた管理職が、一連の対応がひと段落着いたところで燃え尽き、それにより職場がさらに混乱する。

 

▶健康問題、人間関係の悪化などにより生じ続ける生産性の低下から、重大事故など、新たな惨事が起きる。

  

上記以外にも様々な問題が生じ、対応が後手に回れば回るほど、そのダメージはより深刻に、そしてより長期に及ぶことになるのです。


自殺者が出た職場の担当者から寄せられる相談事例。

 ・自殺の第一発見者が泣きながら仕事をしています。どう対応したらいいですか?精神科に行かせた方がいいですか?

 

・ショックで眠れないというスタッフに「仕事を休んでいいよ」と伝えたんですが、「家にいるより働いている方が楽なんです」と言って仕事を休もうとしません。このまま働かせ続けてもいいものでしょうか?

 

・自殺が起きた事実をどこまで職場で共有するべきですか?正確なことを伝えたらみんなショックを受けるから言わない方がいいですよね?

 

・明らかに現場を避けている社員がいます。このままずっと現場に近づけないとなると、業務に支障が出て困るのですが、治るものなのでしょうか?

 

・一か月経過して、なんとなくみんなまだ不安定なんですけど、自殺のことはできるだけ話題にしない方がいいんですよね?

 

・一部のスタッフの間で変な噂話が広まっていたり、犯人探しが続いていたりするのですが、こういう時はどう対応すればいいですか?

 

・実は、現場の責任者である私が一番具合が悪いんです。あれからほとんど眠れていません。でも、職場がこんな状態で今私が休むわけにはいきません。こういう時だからこそ、無理をしてでも私が中心になって動かないとまずいですよね?

 

・もうあの出来事から3カ月も経つのに、まだやる気が起きないんですよ。もう治っていないといけない時期なのに、いつまでも引きずっているんです。仕事を辞めた方がいいですかね?

 

このような疑問に対して、これから8つのカテゴリーに分けて対応を説明をしていきますね。

 

それぞれのカテゴリーについて、より詳しく解説しているブログ記事のリンクも張っておきますので、そちらもぜひ読んで理解を深めてください。


①「職場で自殺者」という大きなショックを経験した時に起きる心身の反応。

普段経験しないような大きなショックを受けると、私たちの心や体には様々な反応が表れます。

 

主な反応を挙げてみます。

 

 … 恐怖、強い不安、落ち込み、イライラ、怒り、自分を強く責める、やる気が起きない、悲しみ、ハイテンション、など。

 

身体 … 動悸、吐き気、涙が止まらない、頭痛、胃痛、腹痛、眠れない、寝てもすぐに目が覚める、悪夢、強い緊張感、食欲がない、など。

 

行動 … ミス、電話に出ない、仕事を休む、人に会いたくない、話したくない、お酒をたくさん飲む、ずっとスマホをやっている、仕事や趣味に過剰にのめりこむ、喧嘩、口論、など。

 

その他の反応として代表的なものが以下になります。

 

・その時の苦痛や感情、映像などが何度も蘇るフラッシュバック

 

・その場所や話題を避ける回避行動

 

・音や刺激に過敏になる過敏・過剰な行動

 

これらの反応の中で、自殺の場合に顕著に出やすい反応が「罪悪感・自責感」です。

 

「気づいてあげられなかった」

 

「昨日美味しいパン屋さんの話を笑顔でしていたけど、本当は私に何か相談したかったのではないか」

 

「仕事を頼みすぎたかもしれない」

 

亡くなった人と関係が濃かった人ほど、罪悪感や自責感はより強くなります。

 

このような反応が生じると、「私の心が弱いからだ」と自分を責めてしまいがちなのですが、そうではありません。

 

これらの反応は「急性ストレス反応」と言って、普段経験しないような大きなショックを受けた際に、誰にでも起きるノーマルな反応なのです。

 

初めはとても辛くて大変だと思いますが、通常2~4週間くらいかけて症状が軽減し消失していきます。

 

必要なことは、「気持ちの問題にして乗り越えること」ではなく、「正しい知識を持つこと」です。

 

以下の記事に、自殺の際の急性ストレス反応について、正しい対処方法を記載していますので、ぜひ読んでみてください。

 

自殺者が出て大混乱の職場が、必ず知っておくべき「急性ストレス反応」のリスクと対処法


②大切なのは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を防ぐこと。

前述の通り、急性ストレス反応は通常2~4週で症状が軽減し消失します。

 

ただ、この反応が1ヶ月経っても治らずに続く場合、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断される可能性が出てきます。

 

PTSDは、いわゆる「トラウマ」です。

 

PTSDになると、いつまでも職場に対する恐怖が消えなかったり、不眠やフラッシュバックなどに悩まされます。

 

健康問題が長期化すれば、ミスやトラブル、欠勤、休職、退職など、職場の生産性にとても大きな影響を及ぼします。

 

つまり、職場が今すぐに取り組むべきことは、大切な社員がPTSDという深い心の傷を負ってしまうことを防ぐことです。 

 

そのためにも、職場が正しい知識のもと、ダメージを負った社員に適切な対応を行い回復をサポートすることです。

 

職場が適切な対応をとることで、社員の負担が軽減し、PTSDを防ぐことにつながります。

 

③以降で職場がとるべき対応を説明していきます。

 

PTSDについては以下の記事で詳しく説明しています。

 

「職場で起きる自殺」への会社の対応と、PTSD(心的外傷後ストレス障害)発症の関連性とは


③担当者選びの注意点

自殺などの惨事が起きた際によくありがちなのが、自らも自殺現場を目撃しているなど、大きなショックを受けている管理職が、対応に奔走しているという例です。

 

急性ストレス反応で体調が悪く、フラッシュバックなどで苦しんでいる状況では、冷静で適切な対応は困難です。

 

多くの場合、対応を誤り、現場はより混乱します。

 

社員は職場への不信感を強め、そして管理職はより負担を強いられるという負のサイクルが出来上がります。

 

結果として、対応がうまくいかないだけでなく、管理職が燃え尽き出勤できなくなる。

 

こんな事例は少なくありません。

 

担当者は、できるだけダメージを受けていない方、冷静で適切な対処ができるコンディションの方、例えば現場から離れた人事総務担当などを選びましょう。

 

詳しくは以下の記事をご覧ください。 

 

「職場で起きる自殺」の事後対応。担当者選びで「絶対にやってはいけないこと」とは。


④社員への情報開示

社員に自殺の事実をどこまで伝えるべきか、というのは職場にとってとても悩ましい問題だと思います。

 

できれば真実を教えてあげたい気持ちと、一方では「本当のことを言ったら、みんなショックを受けてしまうのではないか」という気持ち。

 

どちらが正解なのか、迷うお気持ちはご尤もです。

 

ただ、これだけは押さえてください。

 

自殺という事実を隠し通すことは、相当に困難なことなのです。

 

必ずどこかから情報が洩れます。

 

「何か都合が悪いことがあって隠したんじゃないか」「かなり残業させてたし、結局職場が追い込んだんじゃないか」など、社員の怒りや悲しみが職場に向き、大きな混乱を招きます。

 

そのためにも、自殺の事実を伝えるリスクよりも、伝えないことのリスクを知ってください。

 

情報はできるだけ隠さずに現場に降ろすこと。

 

これを基本としてください。

 

詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

職場で自殺者が出たら、会社はその事実をどこまで社員に伝えるべきか。


⑤社員へのサポート

社員へのサポートとしてまず必要なことは、次の2点です。

 

・急性ストレス反応についての情報提供を社員に行うこと。

 

・そして、職場としていつでもサポートする準備があることを明確に示すこと。

 

これをできるだけ早く行いましょう。

 

とてもショックな出来事があった時に落ち込むのは、「心が弱い」からではなく、あなたの「心が健康だから」

 

上記のブログ記事には急性ストレス反応についての説明を詳しく書いていますので、ぜひこれを読ませて、職場としてサポートする意思があることをはっきりと伝えましょう。

 

また、社員に情報提供を行うのと同時に、より大きなショックを受けていて、職場として注意して見守るべき社員を押さえておきましょう。

  

・自殺を直接目撃した人。

 

・第一発見者

 

・上司

 

・仲の良い同僚

 

・すでに涙が止まらなくて仕事に大きな支障が出ている社員 など

 

自殺を目撃した人や、日常的に関係が濃かった人、すでに強い反応が出ている人が主な対象です。

 

声をかけて体調を確認し、具合が悪ければ休ませる、負荷を軽減するなどの配慮が大切です。

 

詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

自殺者が出た職場が、初めの2週間で行うべき「ショックを受けた社員への対応方法」


⑥自殺の話題をタブー視せず、安全に語り合える環境をつくる。

「今回の自殺のことって、できるだけ話題にしない方がいいんですよね?」

 

これは、惨事対応の際に担当者からよく頂く質問です。

 

結論からお伝えすると、自殺の話を変にタブー視して話題にできない環境はお勧めしません。

 

なぜなら、強いストレスにより生じた辛さや悲しみ、不安や恐怖といった負の感情は、仲間と共有することでより早く癒されるからです。

 

だからこそ、無理に話題をタブー視せず、安全に語り合える環境が理想です。

 

「私、正直まだ怖くてさ。やっと眠れるようにはなってきたんだけど、どうしても職場に入ると緊張しちゃってね」

 

「おれも、未だにあの会議室の前を通れないもん。だからわざわざ遠回りしてるもんね。こういうのって本当に治るのかな。これがずっと続くのかなと思うと恐ろしいよね」

 

こういうやりとりができる環境か否かにより、回復具合がだいぶ変わってきます。

 

そのためにも、管理職や責任者が、自分のノーマルな気持ちを語るなどして、安全に語り合える環境を整えていくことが大切になります。

 

詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

自殺者が出た職場が「話題をタブー視」することのリスクと、「安全に語り合える環境づくり」の重要性


⑦1か月後の回復状況をヒアリングする。

②で説明した通り、急性ストレス反応の症状が1ヶ月経過しても改善していない場合、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断される可能性があります。

 

つまり、1カ月が経過するタイミングは、より注意して社員の状態を観察すべき時期なのです。

 

ここで、改めて一人一人に声をかけ、心身の状態を確認しましょう。

 

その時点で未だに状態が良くない社員がいれば、心療内科や精神科を受診させる、職場に産業医やカウンセラーがいれば面談を受けさせるなどの対応が必要になります。

 

ここで該当する社員にスムーズに診察やカウンセリングを受けてもらうためにも、これまで説明してきた通り、1ヶ月の間に職場が適切な対応をとることが大切です。

 

社員が職場に対する安心と信頼を感じること、そして急性ストレス反応とPTSDについての正しい知識をつけておくことで、対応がしやすくなります。

 

詳しくは以下の記事をご覧ください。

 

職場で自殺者が出たら、押さえておきたい「1か月後のフォローアップ」と「記念日反応」


⑧専門家を活用する。

 職場の緊急事態をより最小限のダメージで乗り越えるためにも、惨事が起きたらすぐに専門家を頼り、具体的な助言を得ることが最も良いやり方です。

 

惨事対応の専門家からは、主に以下のようなサポートを受けることができます。

 

▶各場面における職場がとるべき対応についてのコンサルティング。

 

▶急性ストレス反応についての社員への情報提供(資料配布など)

 

▶社員へのカウンセリング(急性ストレス反応についての情報提供や健康状態についてのヒアリングを行い、状態を把握する)

 

▶(社員の同意を得た上で)個別のカウンセリングの内容を会社と共有し、リスクの高い社員への対応について検討する。

 

▶再発防止についてのコンサルティング。

 

▶社員へのフォローアップ(1ヶ月以降の状態を確認)

 

▶PTSDのリスクが高い社員へのカウンセリング、医療機関の紹介

 

詳細は以下の記事をご覧ください。

 

自殺者が出て大混乱の職場が、今すぐに惨事対応の専門家を頼るべき理由

 

当方でも惨事対応の経験は豊富で、ご連絡頂ければ精一杯のサポートをさせていただきます。


以上、職場で自殺が起きた際に最低限知っておいて欲しい対応方法について解説しました。

 

より詳しく学びたい方は、ぜひ職場の惨事ストレスマネジメントセミナーを受講してください。

 

日程は以下の通りです。

 

・2019年6月14日(金)13時30分~15時30分

 

・2019年7月4日(木)19時~21時

 

職場の惨事ストレスマネジメントセミナー ~自殺・事故死・殺人・災害など、突然の惨事に見舞われた職場は、まず何をすべきか~

 

※動画でも受講できます。

 

あなたの職場を守るため、そしてあなた自身が後悔しないためにも、いつ起きてもおかしくない惨事への備えをしておきませんか?

 

惨事対応を十分に学んだあなたの存在が、職場の窮地を救うことになるのです。


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