「職場で起きる自殺」の事後対応。担当者選びで「絶対にやってはいけないこと」とは。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

職場で自殺者が出た場合、大きなショックを受けた社員が抱える健康面のリスクについては以下の2つの記事で説明しました。

 

自殺者が出て大混乱の職場が、必ず知っておくべき「急性ストレス反応」のリスクと対処法

 

「職場で起きる自殺」への会社の対応と、PTSD(心的外傷後ストレス障害)発症の関連性とは

 

今回は、社員へのサポートを中心とした事後対応を「誰が担当するべきか」ということについて、とても大切な話をします。

 

※自殺者が出た場合の職場の対応については、以下の記事に流れをまとめています。

職場で自殺者が出たら、今すぐ読んでほしい職場の対応マニュアル


急性ストレス反応で苦しむ人を担当者にしてはいけない理由

 

まず、職場で起きた自殺への対応に奔走している、このブログを読んでいるあなた。

 

あなた自身に、急性ストレス反応の症状は出ていませんか?

 

例えばあなたが自殺現場を目撃しているとか、遺体に触れたとか、亡くなった人と日常的に親しい関係だったとか、そんな状況だとしたら、あなたにも間違いなく心身に反応が起きているはずです。

 

もちろん症状の程度にもよりますが、あなた自身が急性ストレス反応に晒されているとしたら、私はあなたがこの問題の担当者(窓口)となることにはっきりと反対します。

 

その主な理由は2つ。

 

①適切な判断ができず、対応が後手に回り職場がより混乱する。

 

②担当者自身の回復が遅れ、PTSDになる。

 

このように、職場にとってもあなたにとっても、デメリットでしかないのです。

 

以前、このように職場の責任者が自殺現場を目撃して大きなショックを受けながらも、職場の事情で惨事対応の窓口をせざるを得なかったケースがありました。

 

とても一生懸命やってくださったのですが、コンディションがあまりにも悪く、不注意やミスが目立ち、対応が後手に回りました。

 

そして、現場のスタッフは「職場の対応がひどい」「こんな大事な時に配慮がない!」と職場に強い不満や不信感を覚え、状況が悪化してしまったことがあります。

 

そして、その責任者の方も2ヶ月後に出勤できなくなり、最終的には退職しました。

 

繰り返します。

 

あなた自身が急性ストレス反応に晒されているとしたら、私はあなたがこの問題の担当者(窓口)となることにはっきりと反対します。

 

担当者は、できるだけダメージを受けていない方、冷静で適切な対処ができるコンディションの方、例えば現場から離れた人事総務担当などを選びましょう。

 

また、経営者や経営層の方にお願いしたいです。

 

くれぐれも、急性ストレス反応で苦しんでいる現場の責任者に、「あなたが責任者なんだからちゃんとやりなさい!」なんて言って対応を押し付けないでください。 

 

もしどうしても急性ストレス反応に苦しむ人が担当せざるを得ない状況であれば、決して一人で抱え込まず、他の担当者も加えてチームで動くようにしてください。

 

そして、お互いのコンディションをこまめに確認しながら、協力して対応を進めましょう。

 

ただ、少人数の職場などで、どうしても責任者がすべてをやらざるを得ない場合もあるでしょう。

 

もしあなた自身が全ての対応を担う責任者であり、なおかつ急性ストレス反応の症状が出ているなら、すぐに専門家を頼ることをお勧めします。

 

職場のリーダーであるあなたが、率先して専門家を頼り、サポートを求めること。

 

それこそが職場を、社員を救う貴重な一手となります。

 

次回に続きます。

 

続きはこちら → 職場で自殺者が出たら、会社はその事実をどこまで社員に伝えるべきか。

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