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日大アメフト部問題から学ぶ③いじめやパワハラが多い職場は、「やる気がない」「変われ」などの具体性のないあいまいなメッセージが蔓延する。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

まだまだ語り足りなかった日大アメフト部問題の③です。

 

①、②はこちらです。

日大アメフト部問題から学ぶ。今、上司から支配を受けているあなたに伝えたいこと。

日大アメフト部問題から学ぶ②怒りは強いものから弱いものに向かい、暴力は連鎖する。

 

今回は、監督やコーチが宮川選手に伝えた指導のメッセージから、暴力的なコミュニケーションを解説します。

 

宮川選手は、監督やコーチから次のようなことを言われたと会見で話していました。

 

「やる気が足りない」

 

「闘志が足りない」

 

「おまえが変わらない限り練習にも試合にも出さない」

 

「優しすぎるところがだめなんだ」

 

あなたはこれらのメッセージの共通点がわかりますか?

 

実はこれら全てに、暴力的なコミュニケーションが助長される要素が含まれているのです。

 

まず、考えてみてください。

 

あなたが職場で上司からこんなメッセージを受けたら、どうしますか?

 

「やる気が足りないよね」

 

「闘志が足りない」

 

さあ、あなたはどうしますか?

 

今日からどうやって仕事をしますか?

 

「あなたが変わらない限り、仕事はありませんよ」

 

「あなたの優しすぎるところがだめなんですよ」

 

さあ、あなたは明日からどのように行動を変えますか?

 

どうですか?

 

私がこんなことを上の人から言われたら、きっとこう思うでしょう。

 

「それで、自分は何をどうすればいいの?」

 

あなたもそうではないですか?

 

わかりますでしょうか。

 

これらのメッセージのすべてが、具体的ではないのです。

 

抽象的であいまいなメッセージで、何を望んでいるのかがわからない。

 

伝わるのは、「何をしてほしいか」という要求ではなく「あなたには問題があるよ」ということだけ。

 

これでは、自分が尊重されていることが全く感じられません。

 

感じるのは非難と脅威など、安全が脅かされるものばかり。

 

これを毎回やられたら、私なら「信用されてないんだな」と感じて落ち込むと思います。

 

そして、自分が何を改善すればいいのかわからないので、「何も変わってないね」とさらに追い打ちをかけられるのではないかと不安になるはずです。

 

日大の選手はこうやって監督のターゲットになることを「ハマる」と表現していたようですが、これ、ほんとにいい表現です。

 

まさに「ハマる」です。

何をどう改善していいかわからないし、そして今度はそれを「やる気がない」「変わる気がない」と咎められるんですから。

 

抜け出すのは困難です。

 

指導が具体的で明確なら、こうはならないのです。

 

「毎回報告書にミスがあるのは困ります。次の報告書は提出する前にきちんとチェックして、ミスがないように出してくださいね」

 

「他の人たちと比べて電話に出る回数が少ないので、改善してくれないかな。特に人が少ない昼の時間は、少なくても2回に1回は電話に出てください」

 

これなら、何をすべきか明確ですよね。

 

指導をしてくれていることもわかる。

 

(言い方にもよりますが)自分への敬意も感じやすくなりますね。

 

これなら「ハマる」ことなんてないでしょう。

 

より安全な関係で仕事をすることができます。

 

このように、今日伝えたいことは、抽象的であいまいな要求ほど、相手への敬意を欠き、暴力的で支配につながりやすいということです。

 

力のあるものが弱いものに対してこのようなメッセージを多用することは危険です。

 

バウンダリー(境界線)が簡単に崩壊します。

 

上司から部下

 

先輩から後輩

 

医者から患者

 

利用者からヘルパー

 

看護師から患者

 

などなど

 

パワハラ、いじめ、虐待など、暴力的なコミュニケーションが根付く職場では、この「抽象的であいまいな要求」が多いのではないでしょうか。

 

そして、暴力的で感情的な人ほど、この危険なメッセージを多用する傾向にあると思います。

 

「ちゃんとやれよ」

 

「しっかりしなさい」

 

「いい子でいなさい」

 

「真面目にやってよ」

 

「気が利かないね」

 

「やる気がない」

 

「いつも仕事が雑なのよ」

 

相手は責められていることはわかるものの、何をどうしたらよいかわからず、自信を失くし、卑屈になり、人間関係の摩擦が増えます。

 

他にも、援助職の現場でよく使われる「誠意をもって」という言葉も気をつけた方がいいですよ。

 

「誠意をもって利用者さんに関わりましょう」

 

できればもっと要求が具体的な方が、スタッフは動きやすいはずです。

 

「利用者さんには敬語を使いましょう」

 

「困っていることがないか、こちらから最後に必ず質問しましょう」

 

「大きな声で挨拶をしましょう」

 

「忙しくてゆっくり話を聴けない時は、ちゃんと説明しましょう」

 

これならわかりやすいです。

 

こういう具体的なことを伝えずに「もっと誠意をもって関わりなさい!」と言われても困る人は多いと思うのです。

 

あなたの職場はどうですか?

 

こういうメッセージを多用しがちな職場は、より明確なメッセージを使うように意識しましょう。

 

それだけでも人間関係のトラブルは減るはずです。

 

できるところから始めてみてください。

 

より安全な職場づくりを学びたい方は、まずはバウンダリー(境界線)を学ぶことをお勧めします。


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