こんにちは。
エイダーズ山崎正徳です。
今日は、どの職場に行っても、上司や先輩などからパワハラや嫌がらせを受けやすくて悩んでいる方に向けて記事を書きます。
よく「パワハラを受けやすい人の特徴はありますか?」と質問されることもあるので、特徴を解説し、今すぐできる打開策も紹介します。
部署を変えても、転職しても、どうして私ばかりパワハラを受けるんだろうか…
「気が弱くて困っています。どこに行っても上司や同僚からいびられて毎日辛いです」
こんな相談を受けることがあります。
どこに行っても軽んじられ、パワハラのような言動で傷つけられる。
本当に辛く苦しいことです。
そんな日々を送るあなたは、1週間が、1日が、とても長く負担に感じることだと思います。
そして、見通しのつかない苦しい毎日に途方に暮れ、絶望しているのではないでしょうか。
あなたは、本当によくがんばっています。
だからこそ、ぜひこのブログを最後まで読んでください。
きっとお役に立てるはずです。
まず、あなたが「なぜパワハラを受けやすいのか」について、お話していきますね。

例えば、あなたが職場で上司からひどい叱責を受けているとします。
あなたはその場にいるのが苦痛で苦痛で仕方がありません。
ただただ上司の叱責が終わるのを待つ。
必死に耐える。
現実的にできることと言えばそれくらいですよね?
でも、あまりにも上司の罵倒がひどい。
本当にこれ以上我慢できない!
今すぐにこの場から離れたい!
これくらいの限界を迎えた時
あなたはどうしますか?
それでもじっと耐えますか?
社会人なら「じっと耐える」が社会的には普通のことかもしれません。
でも、あなたは最悪「走って外に逃げる」という選択をすることもできます。
「いい加減にしろ!」と大声で怒鳴って上司を威嚇することもできます。
これらは、社会的には許容される行動ではないでしょう。
でも、あなたが「今すぐに安全を確保したい」と願うのであれば、「走ってその場から立ち去ること」は有効な手段なのです。
人間関係に対する、「強い無力感や不全感」

「逃げる」
この行為は、自分の身を守るための動物としての本能であり、私たちが生きていく上で本当に大切な行動です。
火事が起きたら走って逃げる。
車が突っ込んできたら走って逃げる。
犬に追いかけられたら走って逃げる。
身の危険を感じたら即座に逃げる。
この「逃げることができる」という感覚を持っていれば、上司に叱責を受けて強い不安や恐怖に支配されることはあっても、「まあ、最悪辞めればいいしな」「この会社にずっといるわけじゃないし」みたいに、精神的に距離をとることができるんですよね。
気持ちに多少の余裕ができ、叱責を正面から受けず、ダメージを減らすことができるわけです。
ここまでをまとめると、「逃げることができる」感覚をきちんと持てていることが、ストレスが減る人間関係の構築に大きく貢献するのです。
さて、前置きが長くなりましたが、この「逃げることができる」という感覚を持てていない人は支配、コントロールを受けやすいのです。
「最悪辞めればいい」「なんとでもなる」
こういうふうに考えることができないので、目の前で感情的になる相手に対して、怒りや不満ではなく恐怖や無力感・不全感が強くなります。
「何を言っても無駄」
「どうせ私なんてだめな人間だ」
こんなふうに考え、ただただその場で打ちのめされる。
恐怖や無力感が強いということは、相手の言うなりになりやすいので、相手は「こいつは自分の思い通りになる」と考えやすく、よりコントロールが強まります。
結果、支配者や高圧的な人がいる職場では、どこに行ってもターゲットになりやすいのです。
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攻撃を受けると、恐怖に支配されて足がすくむ。

そして、そういう人の特徴として、怒られたり攻撃を受けると、すぐに足がすくんでしまうということが挙げられます。
恐怖に支配され、足に力が入らない。
足に力が入らないので、当然ですが「逃げる」という選択肢がなくなります。
ただただ立ち尽くす。
そして余計に恐怖が植え付けられ、自信を失くし、怯え、足がすくむのです。
こういうタイプの方は、日常的に足に力が入っていません。
あなたは次のような傾向はありませんか?
□ いつもフラフラと歩いている
□ 地に足がついている感覚に乏しい
□ 座っている時に踵が浮いていることが多い
□ 足の裏が横を向いているような感覚を覚える
これに多くあてはまる人は要注意です。
背景に潜んでいることが多い「トラウマ」の問題

また、私の経験では、足に力が入らず人から支配を受けやすい人は、「これまでに何らかの強いショックを受け、トラウマを抱えている方が多い」という印象を受けます。
例えば、幼少期に親から暴言暴力、精神的な支配を受けてきたとか、職場で長い間いじめにあったなど、強い恐怖や苦痛を過去に経験している。
この過去に受けた苦痛が癒されていないと、叱責などの刺激を受けることで過去の傷が痛み(フラッシュバック)、強い苦痛に支配されてしまうのです。
結果、足がすくんで逃げられる感覚が奪われる。
そしてさらに傷つく。
トラウマが積み重ねられていく。
この悪循環に陥ります。
今日は、これらの課題を抱える方が、悪循環から抜け出すための取り組みを紹介します。
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取り組み①「あなたにできる小さな境界線を引く」

恐怖や無力感が強いと、「怖い」「傷つきたくない」という思いから相手の顔色を窺い、精神的な距離がとれなくなります。
つまり、境界線の引けない関係になり、支配を受け続けるのです。
支配を受けている人が、支配者に対してとりやすい行動の例を紹介します。
・メールやLINEが来たらすぐに返事をする。
・相手の望むことが、そのまま自分の意見や考えになる。
・飲みに誘われたらどんなに疲れていても断らない。
このように支配を受ける関係から脱却するには、あなたにできる「小さな境界線を引くこと」が大切です。
例えば、
・LINEが来ても、すぐに返事をしない。未読のまま30分は放置する。
・自分の意見を持ち、言ってみる。
・飲みに誘われたら、3回に1回は断ってみる。
・嫌なことをされたら、ちょっとムッとしてみる。
「適切に境界線を引くこと」は、「自分を大切にすること」でもあります。
以下の記事を参考に、できることから始めてみましょう。
取り組み②「自尊心を育む」

「自尊心」とは、自分のことを大切にする気持ちです。
例えば、他者から理不尽に傷つけられた時に、自尊心をきちんと持っていれば「不本意だ」と思えます。
自分のことを大切に思うからこそ、傷つけられたくないと思うし、相手に不満を感じやすくなります。
そして、傷つけられないために、きちんと自分の気持ちを伝えて行動を改めてもらったり、その場から離れたりして、自分を守ることができるのです。
一方で自尊心が低いとどうなるでしょうか。
自尊心が低い人は、自分の気持ちよりも、相手との人間関係を良好に保つことを常に優先します。
そのため、理不尽に傷つけられても、不安や恐怖、無力感に苛まれ、「自分がどうしたいか」よりも「相手を怒らせないためにどうすべきか」ばかり考えます。
結果、相手に行動を改めてもらったり、その場を離れたりという行動がとれず、ますます被害を受けやすくなるのです。
だからこそ、自尊心を育む取り組みが必要なのです。
まず、次のことから始めてみましょう。
①日常生活の中で、「相手がどうしてほしいか」ではなく「自分自身がどうしたいのか」に目を向け、自分の気持ち(欲求や感情)を確認する。
②どんな自分であれば楽なのか。また、どんなことをしている時が楽しくて、どんな人間関係が安心できるのかなど、ポジティブな感情に意識を向ける。
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取り組み③「足の感覚を取り戻す」

最後に紹介する取り組みは、「足の感覚を取り戻す」ことです。
地に足のついたしっかりとした感覚を持つこと。
まずはここから始めてください。
・足の指を広げるなど、よくストレッチをする。
・5本指ソックスを履く。
・足の裏の感覚をきちんと味わい、つま先で地面を蹴って歩く。
・スクワットをする。
・身体を洗う時に、足の皮膚の感覚をよく確かめながらしっかり洗う。
こうやって、足を意識して生活することから始めましょう。
また、叱責を受けるなどして足がすくみやすい状況になったら、足の指にギュッと力を入れてみるなども大切です。
私のカウンセリングを受けている方で、このトレーニングを繰り返したことにより、NOと言えるようになったり、職場で苦手な人が雑談を始めたらすっと席をたってトイレに避難するなどの行動ができるようになった人もいます。
地に足のついた感覚をきちんと持つことで、行動の選択肢が一気に広がるのです。
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カウンセリングで、あなたは変わるきっかけを手にすることができる。

ここまで読んで、「まさに私のことだ!」と思ったあなたに、強くお勧めしたいこと。
それは、「カウンセリングを受けること」です。
パワハラを受けるなど、人から軽んじられ傷つけられることが多いあなたが変わるために、まずはあなた自身の課題をじっくりと整理していきませんか?
あなたが人間関係においてどんな考えを持ちやすいのか。
どんなトラウマを抱えているのかなどを確認し、一緒に具体的な解決策を考えさせて頂きます。
カウンセリングについての詳しい説明は以下の記事にてご確認ください。
カウンセリングを受ければ本当に私は変われるんですか?みんな結局どうなるんですか?
カウンセリングを受けると、余計に疲れるし具合が悪くなると聴きました。それって本当ですか?
いつでもお待ちしております。
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