こんにちは。
エイダーズ山崎正徳です。
普段カウンセリングをしていると、「沈黙が苦手」という方に多く出会います。
例えば、私がカウンセリング中に考えていて少し黙っていると、とても落ち着かない様子で私の顔を覗き込み、相槌をうったり、ニコニコして一生懸命に間を埋めている人。
そういう人はとにかく緊張が強いので、沈黙の時にこっちにもすぐに緊張が伝わってくるんですよ。
私はその時は「もしかして沈黙が苦手ですか?」「沈黙の時はどんな気持ちになるんですか?」などと質問します。
すると、「何かしゃべらないといけないのかと思ってとても落ち着きません」「この時間はなんなんだ?私はどうしたらいいの?と思っちゃいます」などと答える方が多いです。
沈黙が苦手な人は、人とやりとりをしていて生じる「間」に耐えることができないんですよね。
ただただ黙ってそこにいることが難しくて、緊張してしまう。
不安になってしまう。
居ても立っても居られない。
そして間を埋めようとしてしまう。
あなたもそうではないですか?
職場の会議の初めに「誰か議事録やってくれない?」と上司が言って、誰もやると言わずにみんな黙っている時。
あなたはその沈黙に10秒も耐えきれずに、手を挙げてしまいませんか?
同僚とランチをしていても、ちょっとした沈黙が落ち着かないので、たくさんしゃべってしまい気疲れしてしまうことはありませんか?
そんなあなたは、とても真面目で、相手に対する気遣いができる、とても優しい人なのだと思います。
ただ、相手との人間関係を大切にするあまり、ちょっとした「間」が生じると「何か話さないといけない」「私の話がつまらないのかな?」なんて強い不安と緊張に襲われるのではないでしょうか。
だから、沈黙に耐えられず、今日も一生懸命に間を埋めているのだと感じます。
そんなあなたに必要なこと。
それは、あなたが思っているよりももっとずっと、人間関係は安全であることを認識することです。
少しの「間」が生じることについて、目の前の相手は、あなたが想像するように「話がつまらないなー」なんて誰もが思っているわけではないのです。
沈黙は、どんな人間関係においても生じるもので、決してあなたを脅かすものではない。
それを理解する必要があります。
そのために、まずは沈黙と付き合えるようになりましょう。

今日は、実際にカウンセリングを受けて沈黙を克服した方が実践した「沈黙と付き合うための方法」をいくつか紹介します。
① 深呼吸をする
沈黙が来たら、慌てずにゆっくりと深呼吸をしましょう。大きく息を吸って、そしてゆっくりと、細く長く息を吐きます。ただただ何も考えずにこれを繰り返します。
② ゆっくりと数字を数える
10秒でも20秒でもいいので、自分の中で沈黙に耐えられそうな時間を設定します。徐々に徐々に時間を延ばしていけるのが理想です。
③ 好きな歌を頭の中で流す。
好きな曲のサビでもギターソロでもなんでもいいです。曲を流しましょう。それだけで10秒から30秒くらいは稼げます。
④ 思い切って沈黙が苦手だと相手に打ち明ける。
目の前にいる相手に「実は私、沈黙が苦手で気にしすぎちゃうんだけど、そういうことってない?」みたいに打ち明けてみましょう。相手にもよりますが、これはけっこう効果があるやり方です。そうすると、「全然大丈夫だよ」「私の前だけでは気にしないで」などと言われて安心できることが多いです。
これらの方法の中で、今のあなたにできそうなものから、できそうなタイミングで取り組んでみましょう。
この方法以外にもできそうなことがあれば、どんなことでもやってみましょう。
今よりも沈黙に耐える時間が長くなること、そしてそれを何度か繰り返していく中で、あなたは「沈黙を埋めるメリット」よりも「沈黙と付き合うメリット」に気づけるようになるはずです。
あなたが恐れる沈黙は、そこまで恐れるべきものではないことがわかってくる。
これまでのような気づかいが減り、今よりも人間関係のストレスが減るはずです。
ぜひ今日からやってみてください。
ただ、これだけであなたの人間関係に対する緊張感や癖は解決できるものではないと思います。
ご自分の課題を整理し、解決に向けてより具体的な取り組みを行いたい方は、ぜひカウンセリングをご利用ください。
あなたにあった解決方法を一緒に考えさせて頂きます。
また、沈黙が苦手な方は「共依存」について学んでみることをお勧めします。
共依存が学べるブログ集はこちらです。
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