部下からパワハラ被害の相談を受けたら必ず読むべき職場の対応マニュアル①

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

伊調薫選手へのパワハラ問題で、ここのところ「パワハラとは何か?」がよく報道で取り上げられるようになりました。

 

援助職の現場は、(もちろん職場にもよりますが)はっきり言うとレスリングの世界に負けず劣らずの「パワハラの宝庫」です。

 

そもそも「パワハラとは何か?」を理解していないし、学ぶ機会もない。

 

そして、パワハラ被害を訴えるスタッフがいても、管理職もどう対応していいのかわからない。

 

だからこそ、被害者は「訴えたって無駄」「どうせ何も変わらないから辞めようかな」となるのだと思います。

 

ということで、これから何回かのシリーズで職場で起きるパワハラ問題への対応についての説明をしてみます。

 

「パワハラへの対応」なので、経営者や管理職の方、人事などのパワハラ対応窓口の役割を担っている方はぜひ読んでみてください。

 

パワハラとは何か?というのは、割愛します。

 

他のサイトで学んでください。(例えばこのサイト

 

また、職場でパワハラが起きた場合の法的リスクは、このサイトに詳しく出ています。

 

読んでみると大変参考になります。

 

パワハラの場合、職場だけでなく上司も一緒に訴えられるケースも少なくありません。

 

援助職の現場でも同じような問題がいつ起きてもおかしくないはずです。

 

最近だと、公立福生病院のパワハラが報道されていました。(詳しくはこちら

 

また、介護施設で働いていた介護職の自殺の原因が「上司によるパワハラ」と認定され、5000万の損害賠償請求が認められたケースがあります。

 

ネットに載っていた記事を貼り付けます。

 

岡山県備前市内のデイサービスセンター「大ケ池荘」(同市伊部964-5)に勤務していた男性介護員(当時42歳)が、2007年にうつ病の末に自殺したのは同センター上司のパワーハラスメントが原因だとして、男性介護員の妻と子ども2人の遺族3人が社会福祉法人「備前市社会福祉事業団」(西岡憲康理事長、同市伊部964-1)に計5,000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が先月23日、岡山地方裁判所であった。

古田孝夫裁判長は、パワハラと自殺の因果関係を認め、業務上の死亡として原告の請求どおり計5,000万円の支払いを命じた。

判決などによると、この男性介護員は2003年から利用者の送迎や介助などを担当。翌年5月ごろから、上司の女性生活相談員が過去における男性介護員の仕事上のミスについて何度も繰り返し持ち出し、職員会議など万座の席で「何でできないの!」などとしつこく叱責するようになったとされる。

その厳しい指導や非難の繰り返しで精神的に落ち込み、2007年4月ごろにうつ病を発病。同年9月3日夜、妻に「上司に『人間失格』とか言われ、きつくこたえました。ダメな亭主でゴメン」などとメールを送り、その直後に岡山県内の河川敷でガソリンを頭からかぶって焼身自殺に至った。

古田裁判長は「業務以外に発病をうかがわせる事情はなく、病気により自殺したと推定できる」と因果関係を認定。さらに「上司は男性の判断・作業能力が低下している原因を見極めることなく、叱責を繰り返した。心理的負荷は過重。自殺を思いとどまる精神的抑制力が著しく阻害されていた。さらに施設管理者は配置転換などの対策をとらなかった」として、施設運営側の安全配慮義務違反についても指摘している。

この男性介護員の自殺をめぐっては、遺族が労災保険法に基づく遺族補償年金や葬祭料などの支給を求めたが、いったん厚生労働省・和気労働基準監督署(岡山県)が2010年8月に損害賠償・遺族補償年金などの不支給を決定。その後に遺族が国へ処分取り消しを求め岡山地裁に提訴していた経緯もある。

この日の判決で古田裁判長は、「(業務と自殺の)因果関係を否定した処分は違法」として、和気労基署の処分取り消しも併せて命じた。その一方で和気労基署は「判決内容を確認し、関係機関と協議したうえで控訴するかどうか判断したい」とコメント。さらに備前市社会福祉事業団は「判決内容を十分検討し、今後の対応を決めたい」などとしている。

 

読むと辛くなる内容です。

 

上司が部下のミスを何度も何度も、人前で叱責。

 

あなたの職場でもありませんか?

 

そして、損害賠償の額。

 

5000万です。5000万。

 

パワハラのリスクと対応をきちんと学んでおかないと、決して他人事ではないですよ。

 

ということで、職場としてパワハラへの対応を学んでおきましょう。

 

もし、経営者や管理職、または人事担当のあなたが、職員から「パワハラを受けている」と相談を受けたらどうするか。

 

何回かに分けて説明しますね。

 

まず、今日のポイント。

 

パワハラ被害を訴える職員が、職場に「何を望んでいるのか」を確認しましょう。

パワハラ被害を訴える職員により、望んでいることは以下の通り、様々です。

 

・ただ話を聴いてもらえればそれでいい。

 

・問題を大きくしたくはないけど、パワハラ行為者との接触は減らしたい。できるだけシフトをずらしてほしい。

 

・異動させてほしい。

 

・職場からパワハラ行為者に注意して、言動を改善させてほしい。

 

・行為者から謝罪してほしい。

 

ここをきちんと確認してください。

 

この確認を怠ると、こんなトラブルが生じることがあります。

 

・本人は「今は話を聴いてもらうだけでいい」と思っていたのに、パワハラ行為者に注意をしてしまい、結果として本人が余計に働きづらくなる。

 

・本人は具体的な解決を望んでいるのに、話を聴いただけで終わってしまい、結果「相談しても無駄だ」と思わせてしまう。

 

こうやって初めのところで躓くと、被害を受けた職員の不信感につながります。

 

パワハラの問題で労災申請や訴訟を起こす人は、みんな「守ってもらえなかった」と思っています。

 

職場の対応に大いに不満を持ち、強い怒りや恨みになっているのです。

 

私はこれまで多くのパワハラ被害者の相談を受けてきましたし、人事や管理職と連携して対応してきましたが、ひどいパワハラでも、職場が誠意をもって対応すれば労災、訴訟リスクは大きく減ります。

 

このことを念頭に置き、本人のニーズの確認をきちんとしましょう。

 

ニーズに沿って職場が動くかどうかは別として、本人が望んでいる気持ちを確認するプロセスが本当に大切ですよ。

 

被害を受けた本人は「私がどうしてほしいかをちゃんと聴いてもらえた」と誠意を感じやすくなりますから。

 

よくありがちな良くない対応は、管理職がパワハラ被害の訴えを嫌がり、一方的に説教したり、十分に話を聴かなかったりして雑な対応をすることです。

 

「ずいぶん被害的だね」

 

「あなたにも問題があったんじゃない?」

 

「確かにその言い方はひどいと思うけど、悪い人じゃないからわかってあげてね」

 

「そういう人はどの職場にもいるから、慣れないとね」

 

「私にもそういう時あった。私は思いっきり仕事に打ち込んで乗り越えたな。あなたもこういう時こそ、目の前の利用者さんに集中したら?」

 

まさに「あるある」ですよね?

 

きちんと話を聴いて、そしてニーズも確認する。

 

これが大切で、誠意のない対応は怒りや恨みにつながりますので気をつけましょう。

 

どこかの大学の学長のように、「栄和人はその程度のパワーしかない人間」なんてありえないこと言っちゃダメですからね。

 

もし本人が具体的な解決を望んでいるなら、きちんと事実関係を確認する必要があります。

 

つまり、十分なヒアリングが必要になります。

 

ひとまず今日はこれまで。

 

続き→部下からパワハラの相談を受けたら必ず読むべき職場の対応マニュアル②


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