こんにちは。
エイダーズ山崎正徳です。
独立行政法人情報処理推進機構様において、管理監督者対象のメンタルヘルス研修を行いました。

今回は、いわゆる管理職向けのラインケア研修。
ラインケアというのは、「職場のメンタルヘルス問題の早期発見・早期対応のために、管理職が部下の健康状態やストレスを正しく把握して、相談対応を行いましょう」というものです。
ラインケア研修はメンタルヘルス対策に取り組む企業では当たり前に行われているもので、メンタルヘルス問題の動向(法制や労災、企業の取り組みなど)、メンタルヘルス問題の基礎知識、早期発見・早期対応のためのポイントを学ぶ研修です。
ここ最近は援助職の職場でのバウンダリー中心の研修ばかりでラインケア研修は本当に久々だったので、労働安全衛生法、精神障害の労災認定の推移、労災や過労自殺などの事例などを一から復習して挑みました。
ラインケア研修は、EAPコンサルタント時代に100回以上はこなしてきているんですけど、久々すぎて珍しく緊張しました。
いつもやっている援助職向けの研修よりも、本来は企業相手の研修の方が多くこなしているし本業意識も高いんですけど。久々だと怖いですね(笑)
でも、久しぶりに法律や労災の案件などを勉強してみて、とても得るものが多かったです。
過労自殺、パワハラ自殺などの事例をたくさん勉強し直したんですけど、対人援助職の職場と似ているんですよ。
電通、ワタミ、建設業、自衛隊、消防隊
これらの共通点は何だと思いますか?
そう、いつもこのブログで伝えていること。
「うちではこれが当たり前」「嫌なら辞めれば?」
これが根付いている職場です。
辛いことを辛いと言えない。
ノーマルな感情すら共有できない。
感情を思考で抑圧する職場。
こういう職場は、本当に危険ですね。
そして、必ず犠牲になるのは新人です。
ワタミなんて、入社して二か月の新人が過労自殺しています。
二カ月ですよ。
ちょっと考えられません。
過重労働ばかりがクローズアップされますが、それだけでなく、感情が抑圧される職場であることが致命的なのです。
「飲食業ならこれくらい普通」
「広告業界なら当たり前」
「自衛隊員ならこれくらい耐えろよ。おれたちだって耐えてきた」
これが逃げ場をなくすのです。
だからこそ、今回の研修では、上司と部下が「感情を共有する大切さ」を伝えました。
管理職が、率先して感情に意識を向け、ノーマルな感情を適切に語れる職場づくり。
これこそ、ラインケアの基本だと思います。
研修後には、「勉強になった」「とても良かった。必要性を感じた」という声をいただき、安堵しました。
対人援助職の職場の管理職の方は、こういう企業で行っているラインケア研修を受ける機会はほとんどないですよね。
ぼちぼち動画の撮影に取り掛かるので、せっかくなのでラインケア研修の動画も作ろうと思っています。
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