バウンダリー(境界線)を学ぶ目的は、「相手を変えるため」ではなく、「あなたが変わるため」である。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今日はバウンダリー(境界線)について話をします。

 

最近、このブログはより多くの人に読まれるようになり、バウンダリーについて色々な質問や相談を受けることが増えてきました。

 

セミナーでバウンダリーの話をする機会も以前より増しています。

 

そこで、色々な質問を受ける中で、「バウンダリーをなぜ学ぶ必要があるのか」を改めてきちんと説明した方がいいなと思いました。

 

これからバウンダリーを学びたい方は、ぜひ初めに読んでみてほしいです。

 

※ブログ執筆者  AIDERS 代表 山﨑正徳のプロフィールは  こちら 


バウンダリーを学ぶことで、相手との関係を客観視できる。

 

まず、バウンダリーを学べば、自分と相手との人間関係を客観的に理解することができます。

 

例えば、「今日中にやってね!今日中!!」と毎日強引に仕事をふってくる上司との関係に悩んでいるとする。

 

もっと余裕をもって仕事を振ってくれれば快く受けられるのに、毎日15時半くらいに「今日中!」と言って仕事をふられる。

 

おかげで毎日残業になる。

 

早く帰りたいのに。

 

辛い。

 

でも、気持ちを伝えても怒られるだけ。

 

こんな悩みを抱えているとしたら、バウンダリーを学ぶことで、関係性が俯瞰できます。

 

「そうか、私は上司から支配的な言動を受けているんだな」

 

「人間性を尊重されていないから、軽んじられているから、残業の負担以上に尊重されないことで傷ついているんだ」

 

「私も自信を失くしているから余計に言われやすいんだな。ちゃんとNOと言えるようになればいいのかな」

  

こうやって、対等ではない関係に傷ついていることがわかる。

 

このようにして、自分に何が起きているのか、冷静に捉えることができます。


今の関係性を理解し、自分がどうしたいのかを考える。

では、そこから自分がどうするか。

 

傷ついていることをきちんと伝えるのか。

 

はっきりとNOと伝えて、上司が怒ってもきちんと抗議できるようになるのか。

 

ハラスメントの窓口に相談するのか。

 

まずは仲の良い先輩に相談してみて解決の糸口を探ってみるか。

 

このようにして、悩んでいる人間関係を客観的に理解して、そして「まず自分がどうしたいのか」「自分にできることは何か」を考える。

 

そして、自分にできる範囲で変わってみる。

 

そうすることで、関係が変わることもあるのです。

 

相手は、あなたがいつも自信がなさそうにしているから、「強く言えば逆らわない部下」と思っているのかもしれない。

 

そんなあなたが「いつもとても傷ついています」とはっきり伝えたら、上司は「まずかったな」と思って行動を改めるかもしれません。

 

あなたが「こういう扱いが続くなら辞めることも考えます」と怒って伝えたら、そのやりとりが広まり、結果として上司が人事から「それはパワハラにもなるから気をつけてね」と注意を受けるかもしれません。

 

関係性を理解して、まずは自分が変わってみる。

 

これが大切なのです。

 

言うまでもなく、人間関係を変えることって、大変ですよ。

 

自分が変わったって、相手は変わらないかもしれません。

 

よりあなたを攻撃してくるかもしれません。

 

だからこそ、その都度その関係を俯瞰して理解して、「自分がどうするのか」、「どうしたいのか」を考えるのです。

 

そのための手段が、バウンダリーを学ぶことです。

 

つまり、「自分が変わる」ためにバウンダリーを学ぶのです。  


バウンダリーは人間関係のマニュアルではない。

  

「いつも不機嫌な先輩にはどう対応したらいいですか?」

 

「いつも仕事を強引に振ってくる上司にやめてもらうにはどうしたらいいですか?」

 

「付き合っている彼氏が暴力を振るんですよ。暴力をやめてもらうにはどうしたらいいですか?」

 

これらの問題は、バウンダリーを学んだだけでは解決しません。

 

なぜなら、バウンダリーは「相手を変える」ためのものではないからです。

  

いつも不機嫌な先輩との関係を、あなたはどうしたいと思っていますか?

 

いい関係を築きたいと思っていますか?

 

多少関係が壊れてもいいから、距離をとりたいと思いますか。

 

それでも近づいてきたら、どうするか。

 

はっきりと抗議をするのか、それとも人間関係を壊さないことを優先するのか。

 

あなたはどうなりたいのか、どうしたいのか。

 

そして、あなたにできることはどこまでなのか。

 

どんな自分なら後悔しないのか。

 

こうやって、関係性を理解したら自分に問いかけるのです。

 

「バウンダリーを学ぶこと」=「解決」ではありません。

 

なぜなら、人間関係にマニュアルなんてないからです。

 

相手はあなたが思うように都合よく変わってはくれませんよ。

 

相手を変える方法を期待してバウンダリーを学んでも、「解決方法を教えてくれなかった」という不満に変わります。

 

当然です。

 

バウンダリーを学び、自分が変われば、結果として相手が変わることはあっても、バウンダリー自体が相手を変えることはできませんからね。

 

ちなみに、相手を変えることはコントロールです。

 

私はコントロールを教えるカウンセラーではありません。

 

バウンダリーを学び、関係を客観的に理解して、自分にできることを考える。

 

そこでなかなか答えが出ずに苦しさを感じる方には、カウンセリングでお手伝いをさせて頂いています。

 

バウンダリーについて説明したブログ記事は以下の記事にひとつにまとめていますので、ぜひこちらを読んで、理解を深めてみてください。

 

ストレスに強くなる!人間関係の境界線(バウンダリー)の引き方