車内放置死亡事故、理事長セクハラの障害者支援施設「コスモス・アース」。機能不全の組織に蔓延する「無関心」は利用者を巻き込み、最悪の悲劇をもたらす。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今日は、援助職の皆さまならだれもが知っている去年起きたコスモス・アースの事件について語ってみます。

 

去年7月、送迎者の車内に閉じ込められ、利用者さんが熱中症で死亡するというショッキングな事故がありました。

 

加えて、当日に管理者である理事長が女性職員の体を触るセクハラ行為も発覚し、逮捕されています。

 

このニュースには本当に驚きました。

 

今月、それぞれの事件について新たな続報がありました。

去年7月、車内に閉じ込められ、熱中症で男性が死亡した、上尾市の障害者支援施設の75歳の元管理者が、女性職員の体を触ったとして、強制わいせつの罪に問われている裁判の論告がさいたま地裁で行われ、検察側は、懲役2年6ヶ月を求刑しました。
去年7月、上尾市の障害者支援施設、当時の「コスモス・アース」で、管理者を務めていた大塚健司被告(75)が、女性職員の体を触るなどして、強制わいせつの罪に問われています。大塚被告は、施設内で当時19歳の男性利用者が、送迎用のワゴン車におよそ6時間放置され、熱中症で死亡する事故が起きた際にも、わいせつ行為をしていたとされています。
26日の裁判で検察側は「理事長の立場を悪用し、相手の抵抗を無視して、精神的肉体的苦痛を与えたことは、卑劣かつ執拗で悪質な犯行」と指摘し、懲役2年6か月を求刑しました。判決は、2月9日に言い渡されます。

 

 埼玉県上尾市の障害者支援施設「コスモス・アース」(生活介護とさきに改称)で昨年7月、男性利用者(19)が送迎用ワゴン車内に放置され熱中症で死亡した事故で、県警は22日、男性運転手(74)=さいたま市北区=と、担当だった男性職員(37)=同県白岡市、元職員の女性(26)=上尾市=を業務上過失致死容疑で書類送検した。書類送検容疑は昨年7月13日午前9時15分~午後3時20分ごろ、男性を送迎車内に放置し、熱中症で死亡させた疑い。県警によると、3人はいずれも容疑を認め、運転手は「降車したと思い込んだ」と供述。他の2人は男性がいないことに気付きながら、保護者への確認などを怠った。男性は午前9時ごろ、送迎車で施設に到着。1人だけ車内に残され約6時間後、後部座席で倒れているのを運転手が見つけた。男性には知的障害があった。事故当日に施設内で女性職員の体を触ったとして逮捕、起訴された施設元管理者の大塚健司被告(75)=強制わいせつ罪で公判中=については、男性がいないとの報告を受けておらず、県警は事故を予見できなかったとして立件を見送った。〔共同〕

管理者がセクハラしているということは、言うまでもなく部下の人間性を尊重せず、傷つけているということです。

警察に相談されるほどですから、大なり小なりハラスメント行為はこれまでもあったと考えられます

ということは、職場のトップがトップとしての役割を果たしていないということになりますね。

 

従業員の安全を守り、働きやすい環境を整える役割に逆行しています。


だからこそ、利用者さんの車内放置死という事故が起きたと思わざるを得ません

トップが従業員の安全を奪う。

セクハラという暴力行為を行う。

セクハラだけでなく、相手の人間性を尊重せずに安全を奪う行為、または内面に関心を向けない関係は日常にあったのでしょう。

まず、ここで理事長と従業員のバウンダリーが崩壊します。

支配・被支配の関係か、または無関心の関係があったのかなと思います。

そうなると、現場の職員は忙しく大変な仕事の中で、上から人間性を尊重されず、とても大きなストレスを感じるはずです。

尊重されないということは、援助職としての存在意義を感じることが難しくなります。

辛さ、悲しみ、怒り、虚しさ、無力感

いろんな負の感情を抱えたことでしょう。

そして、蓄積された怒りや悲しみが、現場に蔓延します。

そうなると、今度は従業員同士のバウンダリーが崩壊しやすくなりますね。

疲弊して感情的になるスタッフや、無力に苛まれて無感情になったり、周囲に関心を示さなくなるスタッフが増えるでしょう。

無視、無関心、嫌がらせ、不信感などが日常的になり、職場の中がどんどん安全ではなくなるのです。

役割を押し付けあったり、同僚が困っているのに手を差し伸べなかったり、見て見ぬふりをしたり、気づいていることを口に出すと自分の仕事が増えるので気づかないふりをしたり。

お互いがお互いへの尊重や関心を欠き、役割を果たさず、最低限のコミュニケーションすらとらなくなる。

これこそ職場の機能不全の形です。

言うまでもありませんが、敢えて言います。

車内放置死は、この施設の機能不全のシステムに、利用者さんが巻き込まれたのです。


最悪な形でシステムの病理が表面化したのです。

まず、この施設に必要なことは、組織のシステムが病んでいることを「認める」こと。

これ以外にありません。

この「認める」ができなければ、今後も同じことが繰り返されますよ。

ただ、この「認める」が難しいんですよね。

組織が組織の病を素直に認めるのは難関です。

だからどうしても個人の問題にしたがる。

組織の病は、否認の病。

問題を起こす組織は、組織の問題を否認する。

だから同じことが繰り返されるのです。

まずは、認めること。

犯人捜しをするのではありません。

誰かを責めるためではありません。

変わるために認めるのです。

援助職の職場はシステムの歪みが生じやすいので、どこで同じ問題が起きてもおかしくない。

だから、まずは認めること。

そのはじめの一歩は、ぜひセミナーから始めてみてください。


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