介護老人保健施設「リバーサイド悠悠」の介護士による入所者暴行事件。暴力が根付いた組織では真っ当なことを言う人が異分子扱いされ、安全を奪われる。

 

こんにちは。

エイダーズ山崎正徳です。

今日は昨年末に岐阜県の介護施設で起きた暴行事件について語ってみたいと思います。

 

岐阜県警関署は29日、同県関市の介護老人保健施設「リバーサイド悠悠」に入所する女性(99)を殴るなどしたとして、暴行の疑いで、同施設職員の介護士、武藤麻理容疑者(27)=関市小屋名=を逮捕した。 逮捕容疑は、24日午後11時10分ごろ、女性の顔や腹を数回殴り、胸を数回踏みつけるなどした疑い。「殴ったことは間違いないが、踏んだことは覚えていません」と供述している。関署によると、「介護施設で虐待がある」と28日に匿名の通報があり、施設職員らへの聞き取りや防犯カメラの映像などから、武藤容疑者の関与が浮上した。女性の顔にはあざがあり、同署は暴行によるものだった場合は、傷害容疑での立件も検討する。女性は入院しておらず、県内の別の施設に入っている。同署はほかの入所者にも暴行がなかったか捜査を進める。岐阜県は29日、施設を立ち入り検査し、施設の運用や入所者の安全確保が適切に行われていたかなどを調べた。

匿名の通報は、2名の職員の内部通報だったようです(これは警察の失態により、内部通報者の氏名が職場に発覚してしまいました)。

内部通報で今回の事件が発覚、というところに暴力が起きる組織のシステムが確認できます。

というのも、ブラックな職場では、真っ当なことをいうと反逆者、異分子になるからです。

前にこの記事でも書きました。

しくじり先生の亀田大毅から学ぶ、支配者のいる組織や家族では、真っ当なことをいうと反逆者になる話


例えば、電通。

「この会社はおかしいですよ!こんなに死にそうになるくらいみんなを働かせて。私はたまには早く帰って寝たいんです!疲れたからゆっくしたいんです!」

社員が職場でこんなことを言ったらどうなると思いますか?

「何寝ぼけたこと言ってんの?やる気あんの?そんなに寝たければやめたら?

「広告業界をなめてんの?もっと仕事にかじりつけよ!手放すな!食らいつけ!」

と怒られますよね。

そして、問題社員扱いを受け、ますます仕事がしづらくなります。


 繰り返します。

ブラックな組織では、真っ当なことを言うと異分子になる。

 

暴力が根付いた組織では、ごく普通のことを言うと異分子になる。

「それ、虐待ですよ」

「それはまずいですよ!やめてください!」

こんなことを言ったら、その日から目をつけられます。

 

安全を奪われる。

だから、当たり前のことを当たり前に口に出せないのです。

何も見ないようにする、何も感じないようにする

弱い立場の職員は、こうやって日々サバイバルを続けます。

この容疑者の女性のやってる暴行は、本当に常軌を逸してます。

99歳の女性の顔や腹を数回殴る、胸を数回踏みつける。

死んでもおかしくありません。

もうこういう暴行が日常的だったんでしょう。

そして、その容疑者を指導する立場の管理職がなんの機能も役割も果たしていなかった。

このブログで何度も伝えていますが、組織の暴力は、加害者と被害者だけでは成立しません。

組織を構成するメンバーが、暴力を維持する役割を担ってしまうのです。

加害者、被害者、そして加害者を放置する管理職、安全を奪われまいと真っ当なことも口にできずに耐える職員

これで暴力が長期的に維持されるシステムが完成されます。

こうなると、このシステムを変えるにはどうすればいいか。

職員に残された道は、内部通報しかなかったんでしょうね。

弱い立場の職員がシステムを変えるには、これくらいのパワーと覚悟が必要になる。

とても勇気がいったでしょうし、怖かったでしょうね。

2人だからできたのかもしれません。

だからこそ、内部通報した2名の情報を職場に漏洩した警察の罪は大きいですね。

安全を奪われるリスクを冒して勇気ある行動をした2名の職員の方

その2名の安全を守る役割をするのが、警察。

 

風通しの良い安全なシステムをつくるには、外部の警察もきちんと役割を果たさないといけません。

警察、しっかりしてくれ。


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