「話を聴く」とは、自分と相手との違いを認めるということである。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今日は、「話を聴くことが苦手」と感じている方や、「もっと上手に話が聴けるようになりたい」と思っている人に向けて記事を書きます。 


自分を基準に相手を見ているから、話が聴けなくなる。

 

「子どもの話を聴いていると、ついつい口を挟んであれこれ言ってしまいます。ちゃんと話を聴いてあげるって、私にはすごく苦手なんです」

 

こんな話は色んな方から聴きます。

 

話を聴くことが苦手な人、多いですよね。

 

実は、カウンセラーも話を聴くのが苦手な人は意外と多いんですよ。

 

カウンセリング中ずーっと自分が話していたり、相手に納得してもらおうと思って言葉をかぶせていたり、それでいつまでも話が終わらずに電話が終わらない人とか、けっこういるものです。

 

話を聴くことが苦手な人は、一言でまとめてしまうと、「自分と相手の違いを受け入れられない人」が多い印象があります。

 

「どうしても自分に自信がなくて。今回のトラブルも私が悪いんじゃないかと思って自分を責めちゃうんですよ」

 

こんな相談をされたときに、自分と他人の違いを認められない人は、「そんなに責めちゃダメ」「そんなことない」「私だったらこう考える」みたいな助言を一生懸命します。

 

助言をするなと言っているわけではない。

 

助言は大切です。

 

ただ、私が話を聴けない人に言いたいのは、「でも、あなたのようにうまくできない人がいることをわかってあげてね」ということです。

 

自分を基準に相手を見ているから、頭の中は「もっとこうしたら?」「どうしてこうしないんだろう」ばかりで、話が聴けないのです。

 

「なんでこうしないんだろう」「こうすればいいのに」「私のやり方を教えてあげたい」「間違いに気づかせよう」

 

こういう人は、相手を理解しようとしていません。

 

相手を「正したい」と思っているのです。

 

でも、目の前の相手は、あなたとは別人なのです。

 

別の人格で、別の考え方や価値観があり、得意なこと、不得意なこともあなたとは全く違うのです。


助言を連発していると、結局相手に依存されて相談が終わらない。

  

だから、あなたができることを一方的に並べ立てても、相手は「はあ、そうですか…」にしかならない。

 

あなたの助言を素直に聴いているようで、心の中では「それができないから苦労してるんだよなー」と思っているのです。

 

そして、そんな相手の煮え切らない様子を見て、話を聴けない人はさらにジャブを打ち込んでいきます。

 

頼んでもいないのに自分の苦労話を持ち出し、相手に納得させようとします。

 

いつの間にか、話を聴くべきあなたが、相手に話を聴いてもらっている。

 

あなたもこんな笑えない結末を迎えていませんか?

 

こればかりやっていると、相手の問題はいつまでも解決しません。

 

あなたに相談をしなくなるか、後は依存的になって何でも相談してくるか。

 

大体このニ択です。

 

どうして依存的になるのかというと、助言がたくさんもらえるからです。

 

相談をするたびに、「私ならこうする」「もっとこうしなさい」と言ってくれる。 

 

自分で考えなくても済むので、結局すぐにあなたに助言を求めることになります。

 

カウンセラーや電話相談員、福祉や介護の現場などでも同じことはたくさんあるはずです。

 

自分の話の聴き方が問題であることに気づくことができず、「何でもかんでも私に電話してきて、本当に困る!」とぼやいている。

 

そして、早く相談を終わらせたくて、かかってきた電話には話を聴かずに毎回助言を連発し、同じことを繰り返す。

 

要するに、話が聴けないから相談が終わらないのです。

 


今よりも聴き上手になりたいあなたに知ってほしいバウンダリー(境界線)の考え方

 

私の職業はカウンセラーなので、普段多くの人の話を聴いています。

 

今は多い時で大体1日7~8人ですが、一時期、15~16人くらいカウンセリングしていたことがありました。

 

「1日に16人?そんなに話を聴いて大丈夫なんですか?すごく疲れませんか?」

 

多くの人に驚かれます。

 

まあ、確かに1日16人も話をすればそれは疲れます。

 

でも、皆さんが想像しているほどの疲れではないんですよ。

 

なぜなら、私は「相手」と「自分」の違いを認めて、適切な距離感を意識して話を聴いているからです。

 

例えば、「おれの彼女はおかしいんですよ!おれがちょっと怒鳴って物を投げつけたくらいでDVだ!暴力男だ!なんて騒いで。そんなにおれに暴力振るわれるのが嫌なら、おれを怒らせるようなことをするなよと思うんです。おかしい女なんですよ。そう思いませんか?」

 

なんてカウンセリングで相談を受ける。

 

こちらかすれば、どう考えてもこの相談者の言動はDVだし、「おかしい女だと思いませんか?」と聴かれても、とても同調できる話ではない。

 

でも、そこで自分と相手との違いを認めていれば、「相手を正そう」とする必要はないのです。

 

「なんて言えば相手はわかってくれるかな」「ここで反論したら怒るかな」なんて考える必要もない。 

 

「私はそうは思わないけど、この人にとっては彼女はおかしい女性と感じるんだな」「あなたにとってはそうなんですね」と受け取る。

 

これでいいのです。

 

だから、「〇〇さんにとっては、怒鳴って物を投げつけたくらいでDVだと騒ぐ彼女は、頭がおかしいと感じるんですね」と返す。

 

こうやってじっくりと話を聴いていくのです。

 

相手といい距離感を保てるので、相手に巻き込まれてすごく疲れるということでもない。

 

つまり、「話を聴く」とは、自分と相手の違いを認めるということなのです。

 

今日のこのブログを読んで、「話を聴く」ということに課題を感じる方は、ぜひ「人間関係の距離感」を切り口に、より自己理解を深めてみることをお勧めします。

 

まずは、以下のバウンダリー基礎講座を読んでみてください。 

 

読むだけで、今よりも楽に話が聴ける「人間関係の距離感」がわかると思いますよ。

 


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