尼崎市「めぐみ幼稚園」の教諭による園児への暴行事件。施設における暴力問題は、加害者の暴力を「問題行為」としない職場によって維持される。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今日は、尼崎市の幼稚園で起きた、女性教諭による園児への暴行事件を題材に、職場で起きる暴力問題の構造についてお話します。

 

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勤務先の認定こども園で男児(2)に暴行を加えてけがをさせたとして、兵庫県警尼崎南署は30日、幼稚園教諭を傷害容疑で逮捕した。同署によると、「上着を片付ける決まりを守らないので注意し、たたいた」と認めているという。

逮捕容疑は27日午前9時20分~同11時5分ごろ、同県尼崎市西立花町の私立幼稚園型認定こども園「めぐみ幼稚園」の2歳児の教室で、繰り返し男児の体を前後に揺さぶって床に押し倒したり、両頬を両平手でたたいたりし、全治約2週間のけがをさせた、としている。

同署によると、母親が27日に男児を迎えに行った際に両頬の内出血を発見。母親が園に尋ねると、容疑者は「(男児が)自分で耳をひっかいたのではないか」「興奮して血管が切れたのではないか」などと説明した。

男児が帰宅後に「先生にたたかれた」と話したため、両親が同園に苦情を言い、29日に教室内にある防犯カメラの映像を見て暴行の場面が映っているのを確認、父親が29日に110番した。男児は上着をハンガーに掛けず、かばんに入れようとしたため暴行を受けたとみられる。

容疑者は2歳児クラスの担任で、別の女性教諭や複数の園児も教室にいたが、女性教諭は止めなかった。同署は他の園児が被害を受けていないか調べる。


組織の虐待や暴力問題は、加害者と被害者だけでは成立しない。

この事件だけにとどまらず、介護現場や障害者施設などでも、虐待の事件は起きています。

 

事件が起きるたびに、報道で加害者の人間性などがクローズアップされやすいのですが、組織の中で一定の期間行われた暴力や虐待は、加害者と被害者のみでは成立しません。

 

例えば、ある施設で2年に渡り暴力行為があったとすれば、年単位で「問題」として扱われないシステムが成立しているから、長期の暴力が可能になるのです。

 

そのシステムが維持されている以上、加害行為は継続され、被害が拡大します。

 

わかりやsく、家族に置き換えて説明してみますね。

 

例えば、カウンセリングで「子どもの頃、よく酔って暴れる父に暴力を受けました」なんていう話を聴くことは少なくありません。

 

ひどい父親だなー、と思いますよね?

 

でも、ここで父親のみの問題とせず、「どうしてこれが成立したのか?」を考えてほしいのです。

 

この家族は、お父さんが酔って子どもに暴力を振るっても家族として成立し、維持されていたのです。

 

なぜでしょうか。

 

「お母さんは私が叩かれていても守ってくれませんでした」

 

相談者が母親についてこう語る方は少なくありません。

 

お母さんが子どもを守るために家を出なかった。

 

お母さんが「あなたがお酒をやめるために病院に行かないなら、私はもう子供を連れて家を出ます」と父に言わなかった。

 

誰かに助けを求めることもしないし、警察に通報もしなかった。

 

酔って暴力を振るい家族の安全を脅かす父

 

それに耐えるだけで何もできない母

 

この二人の関係性に子どもが巻き込まれ、継続して暴力を受け続け、被害が拡大したのです。


暴力問題は、加害者の問題ではなく、組織のシステムの問題である。

 

 

組織で起きる暴力問題も一緒です。

 

虐待、暴力行為をする教諭がいる。

 

目の前で暴力行為がありながらも、止めない他の教諭がいる。

 

この止めない教諭は、親の苦情があるまで、上司に報告もしていなかったということですよね。

 

この関係性に巻き込まれ、園児が被害を受けたのです。

 

今回は親が気づいたから良かったですが、気づけない場合にどうなったでしょうか。

 

被害がもっと拡大した可能性は高いと思います。

 

暴力が維持されるシステムがあったと考えていいでしょうね。

 

組織で起きる虐待や暴力問題は、加害者だけの問題にせず、このようにシステムで俯瞰する習慣をつけていくと、組織の問題が浮き彫りになります。

 

ここ最近報道されている障害者施設や幼稚園、託児所などでの虐待、暴力問題は、ほとんどが同じような問題を抱えています。

 

暴力をふるう加害者

 

そして、その加害者の暴力を「問題行為」としない職場

 

そのシステムに巻き込まれ被害を受ける利用者や子ども

 

ほぼすべてが「暴力のシステム」で説明できるのです。

 

以下に組織で起きる暴力問題について詳しく説明している記事を紹介します。

 

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