「正義感が強いまじめな社員」を昇進させたら豹変してしまう場合に多い理由と、職場の対応方法

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今日は、真面目なスタッフを役職につけたら、一年もしない内にみんなから嫌われる管理職になってしまい、対応に困っている経営者や管理職の方に向けて記事を書きます。


「こんなはずじゃなかったんだけどなー…」

 

とても正義感が強くて、いつも真面目に働く部下がいたので、この秋に主任になってもらいました。

 

現場からも信頼が厚いスタッフだったのでうまくやるだろうと期待していたんですよ。

 

ところが、役職についた途端に今まで以上に熱くなって、他のスタッフやパートさんに対してやたらと口を出すんですよ。

 

もっとこうしないとだめだとか、自分ならこうするとか、お客様さんは心の中では悲しんでいるはずだ、なんで気づかないんだ、とか…

 

言ってることは間違ってないんですよ。

 

でも、そんなことをするもんだから、たちまちみんなから嫌われてしまって。まだ主任になって半年そこらですよ。

 

前はもっと和気あいあいとした職場だったんですけど、彼を主任にしてからギスギスしちゃいまして。

 

ただ、何度も言いますけど、言っていることは間違ってないんです。

 

だから、どうしたらいいものか、悩んでいるんですよ。 

この話を聴くと、「あ、うちの職場も似たようなことがあった!」「いるいる!そういう人!」と思わず頷いてしまう方は少なくないはずです。

 

それだけ、役職につくことでスイッチが入り、トラブルになるケースはあちこちの職場であることなのです。

 

今日は、正義感が強い真面目な人が、役職についたことでトラブルになってしまう原因と対応方法について解説します。


原因①完ぺき主義で、結果として人をコントロールしてしまう。

 

こういうタイプの人は完ぺき主義の傾向が強いです。

 

常に自分に厳しく、力を抜くことが苦手です。

 

そして些細な自分のミスを許すことができず、自責的になります。

 

このように常に自分を許せず厳しくしている人が役職につくと、周りにも完ぺきを求めます。

 

自分のことを許せない人は、人のことも許せません。

 

これまで自分に向いていた厳しさが部下に向くため、結果として人をコントロールしてしまい強いストレスを与えるのです。

 

これまでとても真面目で周りからも受け入れられていた人が、役職について数年後に立派な「パワハラ上司」になってしまうことは珍しい話ではありません。

 

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原因②自分の性格的な特徴を理解していない。

 

完ぺき主義の人が、「僕は完ぺき主義っぽいとこがあるからな」と自覚しているのとそうでないのとでは、周りに与える影響は大違いです。

 

自分の特徴がわかっていれば、自分を基準に部下を見ません。

 

「僕は細かいところが気になっちゃうんだけど、まあ、僕とみんなは違うからな」と一呼吸置いて部下と関わるため、「自分にとっての正しさ」を押し付けて相手の安全を奪うようなコミュニケーションにはなりづらいのです。

 

自分のことが分かっていない人は、「どうしてこうしないの?」「僕ならこうするのに」「もっとこうあるべきだ」と考える自分をそのまま相手に押し付けます。

 

だから、思いの強さに比例して部下をコントロールすることになり、摩擦が増えていくのです。

 

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原因③もともと職場に強い不満をもっていた。

 

こういう正義感が強いタイプの人は、もともと上司や同僚に不満を持っていても珍しくありません。

 

「どうしてみんな僕のようにやらないんだろう」

 

「課長が甘やかしているからこうなるんだよね。ちゃんとビシッと言えばいいのに」

 

強い不満を持っていたものの、あまり表には出さずに黙々と真面目に仕事をこなしていたのです。

 

それが、役職という「パワー」を手にしたことでスイッチが入る。

 

まさに「世直し」のような使命感で突っ走ってしまうのです。

 

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原因④上司が新任管理職への教育やサポートを怠っている。

 

当然ですが、新任管理職に対する上司からの教育やサポートがないと、問題が大きくなりますよね。

 

新任管理職による、周りに脅威を与える言動がエスカレートしている。 

 

明らかに職場がギスギスしている。

 

この状況にいつまでも介入しないから、傷口が深くなるのです。

 

パワハラなどの問題の本質は、「管理すべき人が適切な指導をしていない」ということがほとんどです。

 

本人が言動についての指摘を受け、改善を求められる機会がないのですから、行動が改まるはずはありません。

 

また、このブログは対人援助職の方に多く読まれているので、援助職の現場の特徴として説明すると「役職者に求める役割や業務内容が定まっていない」というのもよくある話です。

 

援助職の現場のように少人数でなおかつスタッフの回転が早い職場ほど、昇進が早いし、そこまでの経験がなくても「今日から主任ね」とポンと役職を与えられ、求められる役割が何なのか十分な説明やフォローがない。

 

そこに持ち前の正義感の強さが重なり、「主任なんだからちゃんとやらないと!」とあらゆることを抱え込み、余裕がなくなり感情的になる。

 

こんなパターンもとても多いですよ。

 

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職場の対応①「求められる役割」を整理し、教育とフォローアップをする。

 

例えば、あなたが課長で部下が主任であれば、課長と主任の役割をきちんと整理しておきましょう。

 

どこからどこまでが主任の役割なのか、主任にどんなことを求めているのか。

 

現場のスタッフに対してどんなスタンスで教育してほしいのか。

 

職場の考えをきちんと伝え、定期的に面談しフォローアップをしましょう。

 

こういう基本的なことをせずに放置したり、課長のあなたが主任に現場を丸投げすると、主任は余裕がなくなり行動がエスカレートします。

 

今回の新任管理職の暴走を「個人の問題」と捉えず、職場の問題として対応するべきです。

 

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職場の対応②「感情的になる言動」には明確に改善を求める。

 

パワハラを容認してしまう上司は、「確かに彼の言い方には問題があるけど、言っていることは間違ってないから」と平気で言ってしまう傾向があります。

これは間違いなので、考えを改めてください。

 

「言っていることが間違っていなければ、相手を傷つけてもいい」わけがありません。

 

「言っていることは間違っていないんだから、感情的にならず、もっと穏やかに普通に伝えないと信頼関係を築けないよ」と伝えて改善を求めましょう。

 

また、原因③で伝えたように、感情的な言動の背景に「もともと職場に不満を持っていた」可能性もあります。

 

できれば一度腹を割って話をして、本人の気持ちを十分に聴いてあげることも大切です。

 

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職場の対応③役職者が自己理解を深める。

役職者が、自分の性格的な特徴がどのように部下との関係や距離感に影響を与えているのかを理解することは、本当に大切なことです。

 

例えば、「自分に自信がなくて少しでも部下に必要としてもらいたい」という気持ちが強い管理職は、あれやこれやと部下に世話を焼き、結果として部下の力を奪ってしまうことがあります。

 

また、「完ぺき主義」「べき思考(こうあるべき、と考える)」の傾向がある管理職は、部下に正しさを押し付け、コントロールし、結果としてパワハラになってしまうこともあります。

 

だからこそ、管理職自身が自己理解を深めることはとても大切です。

 

セミナーやカウンセリングなどで自分を客観的に理解して、課題を整理していく取り組みができればベストだと思います。

 

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