「札幌タクシー暴行事件」。被害に遭ったタクシー会社から学ぶ、対人援助職の暴力被害に対する職場の姿勢と対応。


こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今週、話題になっているタクシー運転手への弁護士による暴行事件。

 

皆さんは映像を見ましたか?

 

まだ見ていない方はこちらをどうぞ。

なかなかショッキングです。

 

被害に遭われた運転手の方は、狭い車内の中で、とても大きな苦痛を味わったことでしょう。

 

そして、今回味わった恐怖は、タクシー運転手の仕事を続けていればまたいつ起きてもおかしくありません。

 

今後の仕事に対する、消えることのない不安や恐怖も感じているのではないかと思います。

 

さて、今回被害に遭ったタクシー会社は「加害者側の示談に応じるつもりはない」とテレビではっきりと答えていました。

 

テレビに出ていたタクシー会社の方は(ちゃんと覚えていませんが)その会社の幹部なり管理職の方だと思うのですが、

 

被害に遭った運転手を心から気遣うコメントをしていました。

 

「彼がどれだけ怖かったか」「彼の気持ちを考えると、示談なんて応じられない」みたいな、確かそんなことを言っていたと記憶しています。

 

これだけ職場が暴力の問題に対して理解があり、被害を受けた社員の内面を気遣ってくれる。

 

示談に応じないということは、「職場として暴力には断固対応する!」という顧客と従業員へのメッセージですよね。

 

被害を受けた運転手の方の恐怖、苦痛、不安などの強いネガティブな感情は、職場の理解と対応によりだいぶ癒されていくのではないかと思います。

 

「これからまた同じようなことがあるかもしれないし、考えると怖い。でも、この会社は守ってくれるしわかってくれる」

 

被害者はこう思えるだけで、どれだけ前向きになれるか。楽になるか。

 

暴力被害に遭ったスタッフへの職場の対応としては、理想なのではないかと思いました。

 

では、このタクシー会社が暴力問題に対して無理解で、全く別の対応をしたとしたらどうでしょうか?

 

「タクシーの仕事をしていれば誰だって暴力を受けるよ。この仕事をしていれば当たり前だよ。嫌なら辞めれば?」

 

「そもそも、目的地への行き方をお客さんに確認しなかったでしょ?そんなことをしていれば怒られるのは当然だよ。反省して次に活かしなさい」

 

暴力を受けることを仕事の一部にされる

 

暴力を受けたことを対応の悪さの問題にされる

 

これをやられたら、運転手さんはさらに深い傷を負うことになります。言うまでもありませんよね?

 

暴力によって傷ついた感情を癒すことが全くできません。

 

恐怖、不安、不満、怒り、恨み、悲しみ

 

強い負の感情、負のエネルギーが解放されずに抑圧されます。

 

この結果、燃え尽きたり、心身に様々な不調をきたすようになります。

 

仕事中も恐怖が抜けず、しばらくは乗客を迎えるたびににビクビクするかもしれません。

 

その恐怖を無理に抑圧するあまり、無感情になるかもしれません。

 

また、会社に対する恨みや怒りは、弱い立場の後輩や新人に向かいやすくなります。

 

自分と同じように暴力の被害を受けて傷ついている後輩に、皮肉にも、自分がされて傷ついたことと全く同じ対応をしてしまう。

 

「おれだって耐えて乗り越えてきたよ。嫌なら辞めれば?」

 

こういうこと、珍しくありません。

 

そうですよね?

 

福祉や医療の現場では、よくある光景のひとつではありませんか?

 

暴力を受けて傷ついているスタッフが、さらに仲間に傷つけられる。

 

守ってもらえないことで、さらに深いダメージを負い、トラウマになる。

 

職場を去っていく人。

 

健康問題で仕事ができなくなる人。

 

自分も仲間を傷つける人。

 

毎日を必死にサバイバルする人。

 

こうやって、どんどんスタッフのエネルギーが奪われていきます。

 

あなたの職場はどうですか?

 

利用者や患者からの暴言暴力を受けることを、仕事の一部にしていませんか?

 

対応が悪ければ暴力を受けても仕方がないという考えの人はいませんか?

 

対人援助職の仕事をしていれば、確かに暴言暴力を受けることを防ぐのは難しいかもしれません。

 

でも、それを「当たり前」にしてしまうことのリスクを正しく学び、職場としてのスタンスを明確にしておく。

 

これが大切なのです。


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