経営者が支配的だと、スタッフは「社内評価重視派」vs「援助職としての誇りを捨てない派」に仲間割れして、退職リスクが一気に上がる。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今日は、対人援助職の職場でありがちな「一斉退職」が起きやすい職場の人間関係の構造について話をします。


支配者に安全を奪われた現場のスタッフは、なぜ仲間割れしやすいのか。

 

「あのクリニックで、この一年に職場の半分くらいの人が辞めていった」なんて言う話は、援助職の業界では実はそんなに珍しいことではありません。

 

そのような退職者が出やすい職場には色んな特徴があります。

 

わかりやすいのが賃金の未払いによる一斉退職。保育園や介護施設など、時々ニュースになっていますよね。

 

他のパターンでは、以前こんな記事を書いてます。 

 

鳥取県養護学校の看護師一斉退職に見る、対人援助職の使命感の強さが生む「依存」と「機能不全」

 

今回は、「経営者が支配的である」という場合に生じやすい一斉退職について解説します。

経営者や管理職がとても支配的な職場って、けっこう多いですよね。

 

気分のムラが激しくて、急に優しくなったり怒ってみたり

 

スタッフが自分の思い通りに動けばすごく機嫌が良くなって褒めたかと思うと、ミスがあったら鬼のような形相でキレる。

 

こういう上司がいると、現場のスタッフの安全は著しく阻害されます。

 

安全が著しく阻害されるということは、スタッフは「不安」になるわけです。

 

「今日は怒られないかな、平和に一日を終えたいな」と思う。

 

「評価を下げたくない。院長に少しでも好かれるようにしなきゃ」と上司の評価を得ようとがんばる人も出てくる。

 

上司の顔色を必死に伺い、上司を心地よくするコミュニケーションをとること、上司が満足する対応を行うことが仕事になる。

 

患者や利用者よりも、上司を見て働く。

 

これが極端になると、太鼓持ちみたいになりますよね。

 

※関連記事

バウンダリー(境界線)基礎講座4日目「支配・被支配の関係」


「社内評価重視派」VS「援助職としての誇りを捨てない派」

一方で、不安だけでなく「不満」を強く感じる人もいる。

 

「おれは院長のために働いているわけじゃないぞ!」「私は施設長に振り回されず、利用者さんのために働きたい!」

 

こういう人は、支配的な環境の中でも不安や恐怖に負けず、援助職としての使命を果たそうと頑張ります。

 

「安全を得ようと上司を心地よくすることが仕事になる人」と「援助職としての使命を果たそうと頑張る人」

 

言い換えると

 

「社内評価重視派」と「援助職としての誇りを捨てない派」

 

まさに水と油だと思いませんか?

 

ここで派閥ができ、人間関係のトラブルになりやすくなります。

 

私は、かつて後者の「援助職としての誇りを捨てない派」に所属していましたね。

 

そして、前者の「社内評価重視派」と反りが合わなくて冷戦を展開していました。

 

「上の人にいい顔ばっかりして、援助職として情けない!」なんて同僚と居酒屋で悪口を言って盛り上がった記憶があります。


支配者のいる職場では、サバイバルの方法は人それぞれ。

あの頃は「社内評価重視派」に対して悪い感情を持っていましたけど、今は全くそんなこと思いません。

 

悪口を言って申し訳なかったと心から思います。

 

今なら「社内評価重視派」の人たちに対して、「仕方がなかった」と思えます。

 

経営者や管理職が感情的で支配的だと、やっぱり怖い人は怖いですよ。

 

不安や怖さの大きさって、人によって違います。

 

だから、不安で仕方がない人や、「なんとかこの職場で経験を積みたい」と思う人は「上の人を怒らせないこと」が仕事になっちゃいますよね。

 

評価やキャリアを大事にしたい人は、目の前の患者や利用者よりも、「上司の機嫌をとること」の優先度が上になる。

 

それでも援助職として頑張りたい人は、最低限の安全を確保しながらも利用者や患者を見る優先度を上げる。

 

支配者のいる職場では、サバイバルの仕方は人それぞれ。

 

そのサバイバルの方法を責めることなんてできないと思います。

 

※関連記事

しくじり先生の亀田大毅から学ぶ、支配者のいる家族や職場では、まっとうなことを言うと反逆者になる話

 

北区託児所の保育士逮捕から学ぶ、虐待や暴力などの反社会的行為が維持される職場のシステム


「援助職としての誇りを捨てない派」のカリスマが辞めた時、一斉退職は起きる。

問題は、サバイバルの方法ではなくて、「スタッフがサバイバルせざるを得ない職場のシステム」にあるのです。

 

この職場のシステムがずっと維持されることで、スタッフ同士の関係の悪さは改善されません。

 

対人援助職の職場でよくある、複数のスタッフによる一斉退職はこういう環境で多く発生します。

 

「援助職としての誇りを捨てない派」の結束力は強いです。

 

だから、その中の中心人物だったり、実力派のカリスマが辞める時に「それなら私も」と一斉退職につながりやすくなるのです。

 

もしあなたがこのような職場の環境に巻き込まれているとしたら、じっくりと職場のシステムを振り返ってみてください。

 

自分がどの立ち位置に居て、どんな感情を持って働いているのか。

 

これから人間関係をどうしていきたいのか。

 

今のように争いを続けていきたいのか。

 

自分がどうしたいのか、考えてみてください。

 

経営者や管理職の方がこの記事を読んでいるとしたら、あなたの職場でこのようなシステムが発動ていないか点検してみましょう。

 

改善するには、支配をやめることです。

 

部下が自分の思い通りに動かないなら、指導する必要はあっても安全を奪う必要なんてないのです。

 

スタッフは安全を阻害されることで派閥ができるのです。

 

一度立ち止まり、経営者や管理職としての自分を振り返ってみてください。

 

そのために、まずは安全な人間関係の距離感である境界線(バウンダリー)を以下のブログ記事で学んで頂くことをお勧めします。

ストレスに強くなる!人間関係の境界線(バウンダリー)の引き方

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