池田中学校の中2自殺事件と宇都宮障害者施設での暴行事件。組織でのいじめや虐待は、加害者と被害者だけでは成立しない。暴力のシステムを維持する黒幕によって成立する。

こんにちは。


エイダーズ山崎正徳です。

 

今日はいじめ、虐待、暴力問題についての話。

 

初めに、報道されている学校での自殺、そして障害者施設での虐待、2つの問題に触れます。

 

まず、今週とても多くニュースで報道されている、福井県池田中学校の2年生の自殺。

 

担任と副担任による生徒へのいじめ、そしてその問題を把握していながら適切な対応を怠った学校の問題が連日報道されています。

 

福井県池田町の町立池田中学校(生徒数40人)で今年3月、2年の男子生徒(当時14歳)が校舎3階から飛び降り自殺した問題で、生徒が担任から大声で叱られたり、副担任から理詰めでしつこく指導されたりしている場面を、校長や教頭が目撃していたことが分かった。毎日新聞が入手した有識者による調査委員会の詳細な報告書で判明した。 

校長は男子生徒が3月上旬から朝のあいさつ運動に来なくなったことに気づいており、校長も教頭も担任が大声で男子生徒を叱る場面を見たことがあった。教頭は副担任の男子生徒に対する指導を何度も見ており、指導の融通の利かなさを認識していた。これらの事実から調査委は「男子生徒が担任と副担任から指導・叱責される状態が続いており、問題がないか疑問を持つのは自然。報告がなくとも実情を調査すべきだった」としている。また、担任や副担任による指導・叱責は職員室でも行われ、特に担任の大声での叱責は他の教員も認識していた。担任に「そんな強い口調で言わないといけないのか」と聞いたり、「指導が伝わっていない」と心配したりする教員もいたという。

大声での指導について担任は同僚に「それだけ(生徒に)言わないと分からない」と話し、「指導方法を考えないといけない」と指摘を受けても「手加減している」と発言していた。

報告書は、担任や副担任のこうした叱責による精神的なストレスなどが自殺の原因となったと認定している。自殺後の学校の対応についても検証。直後は遺族に十分な説明がなかったが、自殺から13日後に校長が遺族のもとを訪れ、「学校で起きたことは私の全責任」と謝罪したとしている。男子生徒の自殺を受け、県教委は17日、敦賀市で緊急の研修会を開催。県内の国公立学校の校長ら約650人が参加し、冒頭で黙とうした。 

 

報道を聴いていてとても辛くなります。

 

そして、前にブログで触れた宇都宮の「ビ・ブライト」での入所者への傷害事件。

 

暴行の証拠隠ぺいの事実が明らかになりました。

 

宇都宮市西刑部町(にしおさかべまち)の知的障害者施設「ビ・ブライト」で4月に入所者の男性(28)が大けがを負った事件で、栃木県警は4日、事件後に実施された内部調査の資料を捨てたとして、施設の運営法人「瑞宝会」の職員3人を証拠隠滅の疑いで逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。逮捕されたのは、同市陽南2丁目、手塚通(69)▽栃木県大田原市末広3丁目、斎藤博之(58)▽宇都宮市南大通り2丁目、斎藤健輔(56)の3容疑者で、手塚容疑者と斎藤博之容疑者は県警OBという。

 捜査1課によると、3人は4月15日にあった男性への傷害事件に関連し、職員が作成した内部調査の書類を同18日に施設内で破棄し、証拠を隠した疑いがある。事件をめぐっては、男性を蹴って腰椎(ようつい)骨折の大けがを負わせたなどとして、無職佐藤大希(22)と瑞宝会職員松本亜希子(25)の両被告が傷害罪で起訴されている。男性は一時意識不明の重体になったが回復し、命に別条はないという。

 

さて、この二つの事件の共通点はわかりますか?


パワハラ、いじめ、虐待など、組織で起きる暴力の問題は、加害者と被害者だけでは成立しないということです。

必ず、その暴力が長期にわたり成立するシステムを維持している黒幕がいるのです。

イネイブラーがいるのです。

尻拭い役がいるのです。

生徒を傷つける教師を指導できずに放置する管理職

 

虐待をする部下を指導するどころか隠ぺいする幹部

この人たちが、暴力を維持するシステムに大きく加担していたのです。

あなたも経験がありませんか?

とても嫌なことをする先輩に傷つけられる。

明らかにパワハラだし、それで辞めている同僚が何人もいるのに、上が「見て見ぬふり」を続けている。

だから、被害者が継続して発生する。

ずっとその繰り返しになる。

こういう時、被害者の怒りはパワハラをする先輩に向くことが多いのですが、本来怒るべきなのはそのシステムを維持している管理職に対してなのです。

むしろ、あなたがパワハラをする先輩に怒っている方が、上にとっては都合がいいことがあるのですよ。

人間関係の問題にできますからね。

「もっと仲良くすればいいのに。お互い歩み寄って」みたいに考えている。

自分が管理職の役割を果たしていないことに気づいていないのです

きちんと「困っています。注意してください」と被害にあった人たちが上に伝えていくことが大事なんですよ。


今、職場でいじめやパワハラの暴力的な被害にあっている方は、どうしていじめやパワハラが成立しているのか、システムで理解してみましょう。

その上で、自分にできることを考えてみる。これが大切です。

虐待を防止したい経営者や管理職の方は、まず自分たちが管理職としての役割が正しく果たせているのか、職場がシステムとして機能しているのか、定期的に点検してみましょう。

いじめやパワハラをただの人間関係の問題にして傍観していませんか?

そういうところから虐待のリスクが上がります。

職場の人間関係で疲弊すると、援助職はどうしても利用者に癒しを求めがちになります。

利用者とスタッフの悪口を言って盛り上がるなど、家族的な関係になりやすくなるのです。

家族的な関係になるということは、本来利用者に使うべきでない言葉や態度が増えていくので、当然ながら虐待のようなトラブルも増えるのです。

いじめ、虐待、暴言暴力。

これらは個人の問題ではなく、職場のシステムの機能不全の問題なのです。


このブログを読んで、職場で起きる問題をきちんと説明できる援助職を目指してみてください。


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