利用者から嫌われた部下の相談を受けた時に、「できる管理職」はまず職場のシステムを疑う。


こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

先日、行政の相談員の方(Aさん)から「相談者から嫌われてしまった」という相談を受けました。

 

電話に出ると「あなたに相談することはない。他の人に変わってほしい」と言われる。

 

「あなたの対応は冷たい。Bさんはもっと親身に話を聴いてくれるのに」

 

他の相談員(Bさん)との比較でこんなことも言われてしまったようです。

 

Aさんは、「私の力不足ですよね」「前にも他の相談者からも怒られたんですよ。その時もBさんと比べられました」と落ち込んでいました。

 

私は、ちょっとその時点で引っかかることがあったので、詳しい経緯を確認しどうして嫌われたのか原因を探りました。

 

すると、簡単にこの方が「嫌われるからくり」がわかりました。

 

とっても単純なんです。

 

例えば、相談者の方が電話で無理難題を相談員にふっかけてくる。

 

「今日はこんなに落ち込んでいるんだから、おれがいいというまで電話を切らないでくれ。切られたら死んじゃうかもしれないから」

 

とか言って、90分も120分も話し続ける。

 

ここで、Aさんはきちんと境界線を設けることができる。

 

「すいません、相談は長くて60分と決まっていますので、今日はこれで電話を切らせていただきます」とタイミングを見てちゃんと伝える。

 

そこで相談者が怒りだしたら、「すいません、そのように感情的になられるとこちらも辛いので、そういう言い方は控えていただきたいのです」と伝えている。

 

こうやって、なんとか電話相談の枠組みを守る対応をきちんとしている。

 

電話相談の特徴や限界をちゃんとわかっているんですよ。

 

一方でBさんは、相談者を怒らせないように、相談者が死にたくならないように、不安にならないように、相談者との人間関係を壊さないように、一生懸命に対応している。

 

結果、電話をいつまでも切れず、120分くらいになることがよくある。

 

AさんとBさん、対応が全く違うのがわかりますよね?

 

あなたが相談者の立場なら、どちらに相談したいですか?

 

きちんと境界線を引いて対応してくれるAさん?

 

それとも、あなたの要望にすべて応えるBさん?

 

電話相談に頼りたくなるほど本当に辛い状況の相談者の立場を考えると、Bさんの存在に救われる方はいますよね。

 

全てを許容してくれて、自分の不安にいつまでも付き合ってくれるわけですから。

 

そんなBさんに依存した相談者からすると、Aさんはどう映りますか?

 

「とても厳しく、つれない相談員」

 

「おれがこんなに困っているのに、事務的に時間を区切る冷たい相談員」

 

こう見えても不思議ではありませんよね。

 

結果として、Aさんは嫌われたのです。

 

さて、こう整理すると、これは一体誰の問題ですか?

 

Aさん?

 

Bさん?

 

相談者?

 

よく考えてみてください。

 

これは、相談員それぞれが設定する境界線がバラバラであることで起きている問題です。

 

要は、職場として相談者に対して設定する境界線が定まっていない。

 

個人の問題ではなく、職場のシステムの問題なのです。

 

「うちではこれが限界だよ」「これだけは守ろうね」「時間は60分」「暴言にはこうしましょう」などという境界線がないのです。

 

だから、境界線の緩い相談員に依存する相談者はどんどん増えます。

 

結果、モンスター化して、他の相談員が振り回される。

 

燃え尽きる、相談員同士で派閥ができる、人間関係のトラブルが増える、自信をなくす相談員が辞めていく、などなど。

 

システムが機能していないことで常に退職者が量産される職場が出来上がるのです。

 

援助職の現場って、こういう問題はすごく多いですよね。

 

普通に対応している人が相談者から嫌われる

 

やりすぎている人が患者からすごく人気がありなぜかカリスマ化している

 

そんな現場の状況の問題の本質に気づかず、管理職が傍観している。

 

あなたも経験がありませんか?

 

今日のブログで経営者や管理職の方にお伝えしたいのは、「利用者から嫌われる」というトラブルが起きたら、「個人の問題にして終わるのではなく、まずはシステムを疑ってみてほしい」ということです。

 

対応しているスタッフの足並みは揃っているのか。

 

その職場において「できること」と「できないこと」の限界をスタッフ全員が理解しているかどうか。

 

利用者や患者さんとのトラブルって、個人の問題で終わらせるにはあまりにももったいないんですよね。

 

その職場のシステムの機能不全に気づけるきっかけになることが本当に多いのです。

 

「利用者から嫌われました」「私には暴言がひどいです」なんていう相談を受けたら、利用者さんへの対応を考える前に、まずは職場のシステムを点検してみてください。

 

この視点を常に持てるようになる経営者や管理職は、援助職として突き抜ける存在になるはずですよ。


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