バウンダリー(境界線)基礎講座5日目「共依存の関係」

  

バウンダリー(境界線)基礎講座5日目。

 

※ぜひ1日目から読んでみてください。

1日目 「バウンダリーとは」

2日目 「安全な人間関係の距離感を学ぶ」

3日目 「自分の感情は自分の責任!」

4日目 「支配・被支配の関係」

 

※ブログ執筆者  AIDERS 代表 山﨑正徳のプロフィールは  こちら 


人から「必要とされる必要がある」共依存の関係

  

今日は「共依存の関係」についてお話しします。

 

共依存とは、「自分の存在意義を見出そうとして、過剰に相手の世話をするなど、相手に必要とされる状況を作り出す関係性」です。

 

例えば、介護職が、介護職として必要とされることにより自分の存在意義を確認できるため、利用者さんに「あなたが担当で本当に良かったです!他の人じゃ困ります!」みたいに言わせる関係をわざわざ作ってしまうことです。

 

誰かに必要とされたい、認められたい、賞賛されたいという気持ちって誰でも少なからず持っていると思います。

 

でも、あまりにも自分に自信がなかったり、いつも不安が強かったりするとその気持ちはより強くなり、共依存関係を作ることに固執してしまうのです。

 

必要以上に世話を焼いたり、自分の役割でないことまでやってあげたり、相手の喜びそうなことを先読みして動いたり、疲れているのに仕事を引き受けたり

 

自己犠牲的な行動が習慣化してコントロール不能になってしまいます。

 

※参考記事

◆共依存のパターン「世話焼き依存」

◆共依存のパターン「役割依存」


家族や恋人のような距離感になることで、トラブルが増える。

 

共依存関係は、介護職などの対人援助の現場だけでなく、上司や部下、家族、友人などあらゆる場面で起きます。

 

私のブログは主に対人援助職の方が多く読んでくれているので、介護現場でよくある「背景に共依存の問題があるトラブル」について説明しますね。

 

介護現場で、「介護職」と「利用者」という境界線が崩壊し、家族のような関係になる。

 

そうすると、「できること」と「できないこと」の境界線もあいまいになってしまいます。

 

サービスの契約に基づいて支援をするはずなのに、介護士の感情に基づいてサービスが提供される。

 

「かわいそうだから」「やってあげないと可愛そうだから」「私が不安だから」

 

利用者さんに携帯番号を教えちゃう、理不尽な言動をされてもすぐに自分が悪いと思ってしまう、サービスにないことまで引き受けてしまう、などなど

 

こういう人は利用者さんからの人気が高いことも多いので、だから厄介なんですよね。

 

利用者さんからしたら、他のスタッフよりも明らかにやってくれる人。

 

心地よくさせてくれる人。

 

だから、他の介護士が対応したら、「サービスが悪い!」「気が利かない」なんて言われてしまう。

 

「担当を変わってくれ」なんて言われちゃう。

 

それが原因で人間関係の摩擦が生じやすくなります。

援助職の現場にとどまらず、あなたの職場でもこんなことありませんか?

 

例えば、共依存タイプの上司に極端に甘やかされた部下が、上司が変わると急に何もできなくなるとか。

 

共依存は強力に周囲を巻き込みトラブルが増えますから、バウンダリーを学んで正しい距離感で対応してほしいなと思います。

 

自分の不安、自信のなさ、こういった性格的な特徴をちゃんと理解して関わり方を変えていかないと、いつまでもいつまでも同じことを繰り返してしまいますよ。

 

今日は共依存についてでした。

 

共依存については以下のサイトでより詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ見てみてください。共依存関連のブログも書いています。


 

次回は「無関心の関係」です。 

バウンダリー(境界線)基礎講座6日目「無関心の関係」