バウンダリー(境界線)基礎講座3日目「自分の感情は自分の責任!」

 

 

バウンダリー基礎講座3日目です。

※1日目 「バウンダリー(境界線)とは?」
 2日目 「安全な人間関係の距離感を学ぶ」

※ブログ執筆者  AIDERS 代表 山﨑正徳のプロフィールは  こちら 


相手と自分の違いを受け入れられないから、余計に怒りが強くなる。

 

2日目の話の続きです。

 

修学旅行の行き先で意見が分かれた太郎君と明君。

 

じゃんけんをした結果、太郎君が勝ち、行き先が金閣寺に決まりました。

 

清水寺に行きたかった明君は、太郎君にとても腹を立てました。

 

「あいつのせいで楽しみにしていた修学旅行が台無しだ!」

 

明君は、怒り、落ち込み、とても悲しい気持ちになっています。

 

さて、この明君の怒りや悲しみなどの感情は、誰の責任でしょうか?

 

太郎君でしょうか?それとも明君?

 

正解は…

 

「明君の責任」です!

 

わかりますか?

 

なぜなら、自分と他人の違いがわかっていれば、金閣寺に行きたい太郎君の気持ちを尊重できるからです。 


自分の怒りは、自分の責任で「安全に」処理をする。

 

つまり、自分の思った通りにならない可能性は初めからあるのです。

 

それを受け入れていないから、余計に腹が立つし落ち込むのです。

 

だからそこで生じた怒りや落ち込みの責任は、原則として自分にあります。

 

「怒りを感じてはいけない」と言っているわけではないのです。

 

怒ってもいいのです。

 

でも、その怒りは、原則は自分が責任を持って処理しないといけない。

 

家に帰って、「清水寺に行けないんだよ!ムカつくー!」と、親に愚痴を聴いてもらう。

 

そこで親が「今度連れて行ってあげるから、楽しくいってきなよ」なんて言ってくれて、気持ちの整理ができる。

 

こうやって安全に感情を処理できればいいですよね。

 

太郎君に直接「あー!残念!恨んでやるー!」なんて冗談ぽく言って、太郎君が「ごめんねー、その代わり京都で奢るから!」とか

 

そんなやりとりをしてちょっと楽になることもありますよね。

 

これが、安全な人間関係なのです。


バウンダリーを越える人は、自分の感情を相手の責任にする。

 

一方、バウンダリーが崩壊した人間関係では、自分の感情の責任をそのまま相手に負わせます。

 

「おれをこんなに怒らせたのはおまえだ」

 

「シカトされるのが嫌なら、初めからおれを怒らせるようなことをするなよな」

 

こうやって、相手に自分の怒りをそのまま投げてしまいます。

 

そうする権利が自分にはあると本気で思っているのです。

 

こういう人、職場にいますよね?

 

だからトラブルが増え、人を傷つけるのです。

 

自分自身の人間関係のとり方がトラブル、そしてストレスを増やしていることに気づかないと、いつまでも何も変わりませんよ。

 

相手を変えようとするのではなく、自分が変わる必要があります。

 

「私を怒らせたのはあなた」なのではなく、あなたが勝手に怒っているだけなんですから。

 

自分の感情は自分の責任。自分の怒りは自分の責任なのです。


バウンダリーが引けない人は、相手の感情の責任を負う。

感情をぶつけられる側もこれをわかっていれば、怒りをぶつけてくる相手に対して、少し距離を置くことはできるんですよ。

 

怒る明君に対して、「行きたいところに行けないのは仕方ないよね。僕だったらそこまで怒らないのにな。これは明君の問題だからあんまり気にしないようにしよう」と太郎君は考える。

  

こう思えれば、太郎君は明君にそこまで強く巻き込まれません。 

 

でも、バウンダリーを引くのが苦手な人は、相手の感情の責任を自分で背負ってしまいます。

 

明君が「おれを怒らせたのはあなた」と思っているのと同じで、「あなたを怒らせたのは私」と考えやすいのです。

 

「僕が金閣寺に行きたいなんて言い出したからこうなった」と考え、明君の怒りの原因は自分にあると思います。

 

こういう人は、暴力やパワハラなどの被害に遭いやすかったり、身勝手な人に振り回されて疲弊しやすくなります。

 

バウンダリーを越える明君、そしてバウンダリーが引けない太郎君。

 

この二人の問題は理解できますか?

 

まとめると、バウンダリー(境界線)が適切に保てていれば

 

①相手との関係において生じた自分の感情を、自分の責任で扱うことができる。

 

②自分との関係において生じた相手の感情の責任を背負わず、きちんと距離を置くことができる。

 

このような安全な人間関係が築けるのです。

 

理解できますか?

 

ちなみに、②の話をすると、「じゃあ僕は相手に言いたいことを言おう!それで相手が怒っても自分の責任ではないから!」と平気で一方的な自己主張をする人がいます。

 

それは大きな誤解です!

 

バウンダリーは、相手の人間性や気持ちを尊重できることが大前提です。

 

相手の気持ちを尊重することなく、相手を傷つける。

 

これこそバウンダリーを越える行為です。

 

きちんと尊重した人間関係をとった上での②なのです。

 

相手の気持ちを配慮して言葉を選んだ上での②なのです。

 

ここをはき違えるとトラブルが増えます。

 

気をつけてくださいね。

 

4日目に続きます。

バウンダリー(境界線)基礎講座4日目「支配・被支配の関係」