バウンダリー(境界線)基礎講座1日目「人間関係の大原則が学べるバウンダリー(境界線)とは?」

 

バウンダリー基礎講座1日目。


バウンダリーとは、目に見えない、安全な人間関係の境界線です。

 

※ブログ執筆者  AIDERS 代表 山﨑正徳のプロフィールは  こちら 


「私」と「あなた」の違いを明確にし、認め合える境界線。

「私」と「あなた」は全く別の人間で、別の価値観を持っている、ということを認め合える関係。

 

お互いの人間性を尊重できる関係。 

 

この境界線が守れていると、お互いに脅威を感じずに、安全にやりとりをすることができます。

例えば、仕事で意見が分かれた時。

バウンダリーが守れていれば、意見の合わない相手にムキになる必要はありません。

 

なぜなら、考え方が違うのは当然だからです。

 

だからこそ、お互いに相手を尊重し、意見交換ができるのです。

ただ、意見が分かれた時に、「私が正しくて、あなたが間違いだ!」という主張を感情的になって行う人。

 

きっとあなたの職場にもいるでしょう。

 

それは、自分と相手の違いがわかっていない状態。

 

つまり、バウンダリーが守れていないのです。

繰り返しますが、自分と他人の違いを受け入れていれば、意見の食い違いでムキになる必要なんてないはずです。

考え方の違いを安全に確認して、意見がまとまらなければ決めるべき立場の人が決めればいいだけです。

このように、バウンダリーが守れていれば、相手の考え、人間性を尊重した関係が築けるのです。

 

他にも、職場で起きている人間関係のトラブルは全てバウンダリーで説明できます。

感情的になり、自己主張の強い人の意見が通る職場は、暴力的なコミュニケーションが根付いているのです。

相手の境界線を越えて、強い自己主張、強いパワーで相手の安全を奪うのは、「支配・被支配の関係」と言います。


相手をパワーでコントロールする、「支配・被支配の関係」

ラフランスキューピーが、コーンキューピーにグッと近づきました。これで相手の安全を奪いやすい関係になります。

 

例えば、部下のミスに毎回怒りで対応し、強い緊張感を与えて行動を改善させようとする行為。

これは教育というよりも、コントロールに近いです。

 

体罰やパワハラなどがこれに当たります。

 

加害者とされてしまう人は、「教育のつもりだった」「しつけのつもりでやった」という風に弁解をするのですが、それは相手とよほどの信頼関係がないと成立しないのです。

 

被害を受ける人は、相手を怒らせるのが嫌で、恐怖を感じ、自分の安全を守りたくて行動します。

コントロールを受ける時間が長ければ長いほど、無力と怒り、悲しみに苛まれ、自信や主体性をなくしていきます。

 

「上司が言うから」「お母さんが怒るから」「うちではこれがルールだから」と、自分で物事を考える力がなくなりどんどんなくなっていきます。

 

コントロールは、相手を尊重しないだけでなく、相手から力を奪う行為なのです。


相手に必要とされる必要がある、「共依存の関係」

次に「共依存の関係」について説明します。

 

介護職で例えてみます。

 

利用者さんに嫌われたくなくて、介護職が利用者さんに過剰に世話をしたり、サービスの対象外のことまでやってあげたり、介護職なのか家族なのかわからない関係。

これは、利用者と介護職という境界線が崩壊しているのです。

境界線が崩壊すると、家族や恋人のような個人的な感情が反映されやすい関係になります

「あなたを私が救ってあげる!」

「他のスタッフよりも私のことをもっと必要としてほしい!」

このように、介護職が「介護職として必要とされる必要がある」ために関係をつくる。

誰かに強く必要とされることで初めて自分の存在意義が確認できる

その関係に固執する。

これが共依存の関係です。

 

共依存の関係も、支配・被支配の関係同様に相手から力を奪い、依存的な関係になります。

 

「あなたは一人では何もできないんだから、お母さんの言うことだけ聴いてればいいの!」なんて言って、いつまでも子どもを自立させない母親がいい例です。

 

「いつまでも母親として頼ってほしい」という思いが、子どもの自立を阻み、社会人になっても自分では何も決められない大人になってしまう。

 

こんなことも珍しくありません。


相手に関心を持たない「無関心の関係」

そして最後に紹介するのが、無関心の関係です。

 

距離が遠いですよね。

その名の通り、相手に興味、関心を持たない関係を言います。

同僚が悩んでいることはないか、困っていることはないか、体調は万全かなど、相手に対する関心がないので、当然コミュニケーションも減少します。

挨拶や事務連絡だけで、内面の気持ちが一切共有されない。

または相談してるのにちゃんと聞いてもらえず、小さなこととして扱われる。

これをされるととても傷つき、時間が長いほど落ち込みが強くなります。

 

自分なんていてもいなくても変わらないんだろうな。

 

誰も自分のことなんて気にしてないんだろうな。

 

日に日に惨めになり、でも誰からも声をかけられず、孤立します。

バウンダリーが崩壊した関係は色んなトラブルが起き、傷つき、疲弊します。

 

だからこそ、バウンダリー(境界線)を正しく理解し、自分と他者の関係を客観視できるようになると、人間関係のストレスを今よりも減らす手立てを手に入れることができますよ。


慢性的に人間関係で疲弊している方、仕事や家族、友人との関係に苦しさを感じている方

 

1度きちんとバウンダリー(境界線)を学び、ご自分の課題を整理してみてください。

 

2日目以降、より詳しく説明していきます。

続きはこちら

バウンダリー(境界線)基礎講座2日目「安全な人間関係の距離感を学ぶ」