感情的になる部下を注意してもいつもうまくいかないのは、部下の繰り出す「問題のすり替え」に巻き込まれているからではないですか?

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

前に、この記事を書きました。これがすっごく読まれています。

思い通りにいかないと感情的になる部下には、「感情的になった事実」を問題に扱う


読んでない方はぜひ読んでみてください。

 

対人援助職の職場では、特に多いんじゃないでしょうか。

 

感情的になる人。

 

ちょっと意見が合わないと不機嫌な顔をする。

 

自分の思った通りにならないと声を荒げる。

 

大きな声で自分の意見を言い切り、会話を終える。

 

こういう人は、相手に怒りや不満をぶつけることで、緊張感を与えて自分の要求を通す。

 

要は、コントロールすること、支配することが習慣になっているんです。

 

だから、職場としてこういう人の行動はきちんと注意して改善させなければいけません。

 

よくあるのは、相手の不満の内容に付き合って、一生懸命に説得をしてしまうことなんですよ。

 

わかってもらおうと思って。

 

「今回はこういうシフトしか組めなかったんですよ。だから、わかってよ」みたいに

 

思い通りにシフトを組んでもらえなかった不満を怒りで訴える部下に対して、シフトを組めない理由を説明して理解を求める。

 

これでは問題は解決しないんですよ。

 

だって、「シフトの希望が通らなくて不満に思うこと」と、「職場で感情的な言動を行うこと」は別だからです。

 

不満に思うことを怒らずに伝えたっていいわけです。

 

感情的にならず。

 

だから、こういう人には「感情的になる事実」を問題にするんです。

 

ただ、いざその職員に注意して改善を促そうと思っても、話をしてみると全くうまくいかない。

 

むしろこっちがやりこめられる。

 

何も変わらずに話が終わってしまう。

 

こんなこと、よくありますよね?

 

そういう管理職の方の相談をよく受けます。

 

私はそういう時に、やりとりの詳細を聴きます。

 

一言一句確認することもあります。

 

そうすると、けっこう共通のパターンがあるのです。

 

相手の繰り出す「問題のすり替え」

 

これにやられているんです。

 

巻き込まれているんです。

 

では、「問題のすり替え」とはなにか

 

まずは以下の課長職員Aさんのやりとりを見てください。

 

「Aさん、前から心配に感じていたんだけど、仕事中にすごく感情的になるよね。正直、怖いと感じることは多いし、Aさんにとっても仕事がしづらくなるから、なんとか改善してほしいと思ってるんだよ。どうですか?」

 

課長がこう切り出すと、Aさんは不満そうな反応を見せました。

 

「そんなこと言われても、私は悪くないですよ!怒らせる方に原因があると思いませんか?」

 

「そんなに怒らせるようなことしてますか?」

 

「してますよ!若い子たちは、ミスしても謝れば何とかなると思ってるし、甘いんですよ」

 

「そんなことないよ。みんな、ミスをしたことは悪いと思ってるよ、いい加減に働いてるわけじゃないよ」

 

「どうしてそう言い切れるんですか?課長だって、この1ヶ月は出張ばかりでちゃんと見てないじゃないですか!」

 

「え?…まあ、居なかったけど…」

 

「じゃあわからないですよ。私がどれだけあの子たちにイライラさせられてるか」

 

「そんなに居なかったわけじゃないですよ、ちゃんと把握してるつもりですよ」

 

「つもりってなんですか?私は課長がちゃんと指導しないから、こんなに苦労してるんじゃないですか!それを私の問題だなんて、おかしいですよ!」

 

「いやいや、ちょっと待ってよ。Aさんの問題だなんて、そんな言い方してないでしょ?」

 

「そういう言い方をしましたよ。私が悪いんですよね?」

 

「そんなこと言ってないでしょ?」

 

「言いましたよ!」

 

さて、ここで一旦話を止めます。

 

Aさんと課長のこのやりとりを見て、どう思いましたか?

 

問題を指摘して話し合いたい課長。

 

でも、なぜかうまくいきません。

 

なぜでしょうか。

 

よーくこのやりとりを見返してみてください。

 

違和感を覚えてほしいんです。

 

気づきますか?

 

課長が、Aさんの土俵にどんどんひきずりこまれていることに。

 

これが、「問題のすり替え」なんです。

 

課長は、Aさんが「仕事中に感情的になること」を問題にしています。

 

それに対して、Aさんは「感情的になる正当性」の主張から始まり、その原因を作ったのが課長だと言っています。

 

そして、それに対して必死に反論する課長。

 

それを責め立てるAさん。

 

わかりますか?

 

まさに課長が改めてほしいのは、Aさんのこの相手を攻撃する強い自己主張なんですよね。

 

相手を緊張させ、慌てさせ、安全な話し合いができないこと。

 

これが問題なんです。

 

「私を怒らせているのは若い子や課長だ!」という問題のすり替えに巻き込まれ、必死に反論したって無駄ですよ。

 

怒る正当性があるかどうかの話ではなくて、不満を感じたときのコミュニケーションに問題があるんですから。

 

ここまでを整理すると

 

①課長はAさんの感情的な言動を問題にしたい

 

②Aさんは、ミスをして仕事を増やす同僚の問題にしたい

 

③Aさんは、ミスをする同僚を教育しない課長の問題にしたい

 

①を問題にしたい課長に対して、②③に問題をすり替えようとするAさん。

 

今回、会社がとるべきスタンスは

 

「どんな理由があっても、職場の風紀を乱す感情的な言動を慎んでほしい」

 

ということです。

 

ですから、②③に対しては、Aさんの訴えに耳を傾けながらも、過剰に反応せず、巻き込まれず、冷静に対応していくことが必要です。

 

問題のすり替えに巻き込まれずに対応をすると、次のようになります。

 

「Aさん、前から心配に感じていたんだけど、仕事中にすごく感情的になるよね。正直、怖いと感じることは多いし、Aさんにとっても仕事がしづらくなるから、なんとか改善してほしいと思ってるんだよ。どうですか?」

 

「そんなこと言われても、私は悪くないですよ!怒らせる方に原因があると思いませんか?」

 

「そんなに怒らせるようなことしてますか?」

 

「してますよ!若い子たちは、ミスしても謝れば何とかなると思ってるし、甘いんですよ」

 

「そうですか…他に何か思うことがあれば聞かせてください」

 

「課長だって、出張でほとんどいないじゃないですか!ちゃんと見ててくださいよ」

 

「確かに、最近出張多かったですね。みんなには迷惑かけてるなと思います」

 

「ほんとですよ。少しはこっちの身になってくださいよ」

 

「Aさん、気持ちはよくわかったよ。でもね、仕事してれば、ミスをする人だっているし、出張で上司がいないことだってあるよね?」

 

「それを何とかしてほしいんですよ」

 

「思うようにいかないことがあって、それは職場として配慮が足りないこともあるかもしれないよ。でもね、だからといってその度に声を荒げて怒るという行為は、職場では認められないですよ。それを改善してほしいんですよ」

 

「だから、若い子たちを何とかしてくださいよ!」

 

「それと怒ることは別だと言ってるんですよ。今もそうですが、あなたはすごく怒ってるように感じます。冷静に話せませんか?」

 

「こんな話をされたら、冷静になれませんよ」

 

「それを改善してほしいんですよ。できないというと、そういう評価をせざるを得ないんですよ。今後も続くとなると、服務の規程にも触れちゃうし、人事も交えて話をせざるを得ないんですよ。Aさん、僕たちはそこまでしたくないし、心配に思って話しているんですよ。わかってもらえないかなー」

 

「・・・・・・」

 

1回目との違いはわかりましたか?

 

「問題のすり替え」には、 あわてず、どっしりかまえ、耳を傾ける。

 

そして、話の軸をぶらさず、伝えるべきことを伝えていく。

 

これを頭に叩き込んで、対応してみましょう。

 


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