利用者さんに「なんとかしたい」「救ってあげたい」という強い思いを持ちやすいあなたは、援助職としての自分の役割の限界を受け入れないとストレスがなくなりませんよ。

こんにちは。

 

AIDERS山崎正徳です。

 

私が依存症のクリニックに勤めていた時の話。

 

1年目の私が担当した女性の患者さんが、とにかく悲惨だったんです。

 

詳しくは書けませんが、家族からけっこうひどい暴力を受けていて

 

当時22才の私には、「これは大変なケースだ!」「なんとか救ってあげなければ!」と強く強く思いました。

 

今振り返ると、当時の私はソーシャルワーカーというよりも、一人の人間として使命に燃える若者だったように思います。

 

「自分が何とかするんだ!」「暴力を止めないといけない!」なんて。

 

だから、よく覚えていないですけど、その患者さんに説得してた気がするんですよ。

 

目を覚まして欲しかったんですよね。

 

危険な環境から離れて欲しかった。

 

暴力から逃れて欲しい。

 

今思うと恥ずかしいですが、「あなたの家族はおかしいんですよ!」なんていうニュアンスのことを言ったんじゃないかなー。

 

でも、いくら伝えてもその患者さんは変わらない。

 

「心配してくれてありがとう」

 

「山崎さんには助けられてます」

 

なんて言うのに、家族との暴力の関係を続ける。

 

そうすると、こっちも余計に「なんでだ?」「なんでわかってくれないの?これだけ言っているのに!」なんて思う。

 

こんなのを3ヶ月くらい繰り返した時期がありましたね。

 

そんなある日、私は自分とその患者さんとのやりとりで強い違和感を覚えました。

 

その患者さんが、私に満面の笑みで手を振ったんです。

 

その笑顔が、表現が難しいんですけど、援助職と患者という関係を超えた笑顔だったんですよ。

 

すっごく親しみのこもった笑顔

 

ちょっと怖くなる笑顔

 

その時に「あ、これはまずい感じだな」と自分で気付きました。

 

近づきすぎた

 

思いが強すぎた

 

何とかしようとしすぎた

 

人の家庭に立ち入りすぎた

 

こんなことを考えました。

 

結局のところ、私の使命感、熱意、思いが強すぎて、援助職と患者という関係を壊していたんです。

 

私は自分にとっての正しさを押しつけて、一生懸命に説得してコントロールしようとしていました。

 

なんでわかってくれないの?

 

こっちはこんなにやっているのに!

 

あなたのためにやっているのに!

 

これじゃソーシャルワーカーじゃないですね。

 

ただの世話焼きな熱い若者。

 

思い出すだけでも恥ずかしいです。

 

まあ、説得をすることってけっこう多いし、本当に必要な場面は多々ありますよね。

 

でも、相手がこちらの思ったように動かないことも普通にある。

 

その結果が、患者さんにとってすごく不条理な結末になることもある。

 

援助職にとって、一人の人間として受け入れられないほどに患者さんが気の毒なこともある。

 

だから、それを理解するのが仕事でもありますよね。

 

どうにもならないこともあるんですよ。

 

それを受け入れられないから、傷つくし疲れるんです。

 

「何とかしたい」

 

「救ってあげたい」

 

「このままだと本当に大変なことになる」

 

こんな思いを持つことは大切ですが、援助職にできることには限界があるのです。

 

あなたの役割はなんですか?

 

あなたの役割の限界はどこまでですか?

 

あなたの職場の限界はどこまでですか?

 

限界は、言葉を変えると「バウンダリー(境界線)」です。

 

専門家としての自分の限界、境界線

 

職場の限界、境界線

 

これらを理解して、受け入れる。

 

これができないと、こっちが具合悪くなりますよ。

 


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