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「私が対応すればクレーマーが穏やかになる」と言うけど、それはあなたの実力ではなく、役職の力であることに気づいてますか?

こんにちは。

 

AIDERS山崎正徳です。

 

「最近、うちにも多いんですよ。クレーマーみたいな人。電話かけてきて、特に用事や相談というよりも、誰かつかまえて話を聴いて欲しいような人。こっちが思うように対応しないとすぐに不満を言って、時にはすごく怒って」

 

「この間も、職員が『時間がない』と伝えたらすごく怒っちゃって、大変だったみたいで。でもね、私が電話を変わると、なんというか、そんなにみんなが言うほどでもないというか。素直なところもあるんですよ。こっちが穏やかになって聞いていれば、理解してくれるというか、わかってくれるんですよね」

 

「みんな、けっこう慌てて対応するし、時には感情的になっちゃうスタッフもいるから、余計に向うも感情的になるんですよ。結局対応に困って私が変わるんですけどね。私が出ればおさまるんですよ」

 

「みんな、何とかして欲しそうだけど、でも、私からすればもっとちゃんと対応してもらいたいなと思って。もっと相手の気持ちになって親身にね」

 

ある対人援助の職場の管理職の方からのお話です。

 

利用者さんが電話をかけてきて、なかなか切らせてもらえない。

 

時間で区切ろうとしたり、今は手が放せないことなどを伝えたり、こちらが思ったような対応をしないと途端に激怒される。

 

こういうこと、多いですよね。

 

私は公的相談窓口でクレーマー対応のコンサルティングも行っていますけど、本当に現場の方は大変だろうなと思います。

 

さて、今日はこういう問題によくありがちなことを紹介します。

 

冒頭に登場した管理職の方。

 

この方は、問題をどう見ていますか?

 

「問題は職員にあり」

 

こう見ていますよね。

 

なぜなら、

 

「私が電話に出ればそこまででもないから」

 

「みんなが慌てて対応しているから」

 

「私みたいに落ち着いて対応すれば大したことない」

 

「彼をもっと理解してあげるべきだ。きっと何か困っていることがあるはず」

 

こう思っているからです。

 

だから、職場として特別な対応をしない。

 

現状を維持して、職員に引き続き対応をさせるわけです。

 

怒鳴られても、毎日のように長い電話がきても、

 

「もっと親身に関わるべきだ」というスタンスを通します。

 

そして、職員は疲弊していきます。

 

対人援助の職場で何がこたえるかというと、クレーマーそのものではありません。

 

「守ってくれない職場」に傷つくんです。

 

「これだけがんばって対応しているのに、まったく評価されない」

 

「あんなに怒鳴られたのに、対応の仕方について上から目線で指導された」

 

現場で対応する人からすれば、まさに底なし沼の中をもがいているような感覚に近いでしょうね。

 

傷つき、疲弊し、安全を奪われ、守られず

 

そうなると燃え尽きるのは簡単です。


では、この管理職の方の考えと対応は正しいのでしょうか?

 

「私が対応すればおさまる」

 

「みんなが言うほど問題ではない」

 

この方が、どこまで自分のことを理解し、

 

クレーマーと言われている方との関係を評価しているのか

 

相互作用で起きている問題を理解できるか

 

これが大切なんです。

 

まず欠かせない視点は、自分が管理職であるということ。

 

クレーマーの方の目線から見ると、「自分が怒って職員を困らせた後に電話に出てくる責任者」

こう捉えられています。

 

ですから、管理職の方が「私も他の職員と同じ、一人の援助職」と自覚していたら、

 

その時点で完全にずれている可能性が考えられますよね。

 

これはアウトです。

 

あまりにも自覚がなさすぎます。

 

あなたは他の職員が持っていないパワーを持って、電話に出ているんです。

 

相手からすれば、責任者が出てきたわけですから、これまでとは勝手が違います。

 

この人まで怒鳴るとまずいかな

 

完全にお断りされないように、この人とは少しはうまくやらないといけないかな

 

こう思う人も絶対いますよ。

 

中には、役職者とわかった途端に従順になる人だっています。

 

もちろん、役職者だからこそ怒りをぶつける人もいます。

 

つまり、「管理職である自分が相手に対してどのように影響を与えているのか」、理解する姿勢が必要です。

 

そのような視点をもたず、ただ単に自分が対応したらおさまったという事実のみを捉えて

 

「私なら対応できる」「職員の対応の問題」として片付けると現場は悲劇です。

 

管理職がクレーマーの行為を助長してしまうことになり、よりエスカレートします。

 

そして、職員はどんどん疲弊し、モチベーションが下がり、上司と部下の関係が悪化します。

 

部下は「信用されていない」とはっきりわかりますからね。

 

そうなると、もう改善のしようがありません。

 

退職したり、ミスが増えたり、泥沼化しますよね、そういう職場は。

 

私も経験ありますけど、消耗はすさまじかったですね。

 

管理職などのパワーを持つ方は、自分のことを客観視するスキルがないと特に揉めますよ。

 

主観の塊だと現場は混乱します。

 

「言ったってどうせわかってもらえない」

 

「どうせ信用してもらえない」

 

部下を無力感や不全感で満たすことって、とっても簡単ですからね。


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