あなたの職場は利用者さんからの暴力を「仕事の一部」にしてしまっていませんか?ますます暴力がエスカレートするだけですよ

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

先月末にネットでこんなニュースを見ました。

つらすぎる訪問看護師「暴力を受けた経験5割」の衝撃


記事を引用すると

 

訪問看護師の約5割が「暴力を受けた経験がある」との回答。

 

暴力の主体は、患者71・1%、その家族や親族23・9%、両方2・2%。年齢は60代が31・9%と最も多く、次いで40?50代と70代がそれぞれ25・5%だった。

 

内容(複数回答)も、威圧的な態度19・4%、侮辱する言葉17・9%、たたかれるなどの暴行11・3%などだった。

 

記事を見ていくと、薬物を混入されたり、性的暴行の被害にあったり、「暴力」としてイメージするものの範疇を上回る衝撃の内容もあります。

 

見ていて本当に心が痛みます。

 

「威圧的な態度」「侮辱する言葉」「たたかれるなどの暴行」

 

これって、病院や福祉の現場で働く援助職であればほとんどの人が経験していますよね?

 

私も、これまで受けた暴力的な被害を挙げればキリがありません。

 

特に、依存症のクリニックでソーシャルワーカーをしていた3年間は濃密でしたねー。

 

酔った患者さんから殴られたり

 

椅子を投げつけられそうになったり

 

訪問した患者さん宅でひたすら罵倒されたり

 

訪問して車の後部座席に乗せた患者さん(泥酔中)に、運転中に後ろから〇〇されたり…

 

一部言えませんが、ひと通り経験した気がします(笑)

 

今ならもうそこで勤めるだけの精神力はありません。

 

不思議に思うかもしれませんが

 

経験を積んだ今の自分よりも、当時の新人の自分の方があの環境の中でやっていけると思います。

 

それはなぜか

 

とっても簡単です。

 

「暴力を受けているという意識が希薄だったから」

 

これにつきます。

 

記事にもこう書いてあります。

 

実際、神戸市看護大の調査で、暴力を受けた際の対応について「相手の言い分をただただ傾聴した」(23・4%)、「我慢し、あきらめて何もしなかった」(14・7%)と回答している。

 

被害に遭った訪問看護師の中には、患者が認知症や精神障害で「病気だから仕方がない」と報告せず、患者や家族からの過大な要求やクレームに対しても「仕事の一部だから」と自分で抱え込んでしまうケースも多い。


「暴力を受けているという当事者認識さえ乏しい」と語り、放置して事件になることを懸念する。


まさに当時の私です。

 

私にとって社会人として初めての職場。

 

そこで先輩のソーシャルワーカーや、看護師のベテランの方たちが、当たり前に働いているわけです。

 

みんな、同じように暴言を受けていました。

 

胸倉をつかまれている先輩もいました。

 

そうなると、自然と私はこう考えます。

 

「これが当たり前」

 

「早く自分もこの環境に慣れたい」

 

「いちいち動揺せず、怖がらずに対応できればいい」

 

「自分が新人で未熟だから色々言われる」

 

こうやって、暴力を正当化します。

 

この「暴力の正当化」は、とても危険なんです。

 

いわば、暴力の被害にあうことを仕事の一部にしてしまうので、暴力を受けている意識がなくなります。

 

それに耐えることが業務であり、報酬に含まれているという感覚に陥ります。

 

被害者という意識を持ちづらいわけですから、当然ながら、加害者も自分が相手を傷つけている意識をそこまで持ちませんよね。

 

「やめてください」

 

「これ以上やるとあなたの支援ができなくなります」

 

こうやってはっきりNOと言われれば、少なからず相手を困らせているという意識を持ちますけどね。

 

はっきり言われることがなければ、「やっても大丈夫」と思うのが人間です。

 

暴力は確実にエスカレートしますよ。

 

前に相談を受けていたヘルパー事業所様で、利用者さんから思いっきりペンを投げつけられたヘルパーさんがいました。

 

「やめてください」とその場では伝えたようですが、その後も暴力的な言動は繰り返されていました。

 

なぜかって?

 

精神障害だから?と思うもしれませんが

 

違いますよ。

 

何をされても、毎週訪問に行くからです。

 

「やめて」とその場で一度伝えるのみで、重大な問題として扱わず、何ら対策もせずに支援を継続するからです。

 

利用者さんからすれば、「ペンを投げつけても大きな問題にせずに来てくれる人」なんです。

 

だから暴力が余計にエスカレートします。

 

DVだってそうですよ。

 

「いくら殴っても別れない彼女」と認識されればされるほどに暴力がひどくなりますからね。

 

そして

 

暴力が職場に根付くもうひとつのパターンは

 

職場に一人は居がちな、「暴力を肯定するスタッフ」の存在です。

 

つまり、「関わり方の問題で暴力が起きた」「暴力を起こさせたのはあなたが未熟だから」と考え、被害者に一方的に反省を促してしまう。

 

「もっといい声のかけ方があったんじゃない?」

 

「あなたが何もやってないからでしょ!」

 

なんて言って、傷口に塩を塗る。

 

一方で、加害者側にはなぜか超福祉的な寄り添いを行う。

 

「うんうん、ついカッとなって叩いちゃったのね。辛かったよね」なんて

 

被害者側の関わり方の課題はもちろんゼロではないでしょう。

 

加害者側の気持ちを理解する姿勢も必要でしょう。

 

でも、「対応が悪ければ暴力を受けるのは仕方がない」という考え自体が、とっても暴力的だと私は思います。

 

いくら対応が悪くたって、暴力を受けるなんてあってはなりません。

 

いくら悪い対応をされたからって、暴力をふるっていいはずがありません。

 

こんな当たり前の感覚が麻痺し、暴力を受けることが仕事の一部になっていくのです。

 

あなたの職場はいかがですか?

 

暴力を受けることが仕事の一部になっていませんか?

 

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