職場の人間関係が悪いと、どうして利用者さんへの虐待リスクが上がるのか?

こんにちは。

 

AIDERS山崎正徳です。

 

日頃ご相談を頂いている介護サービス事業所様より、虐待防止のための職員研修の依頼を頂きました。

 

介護施設における、施設職員による高齢者虐待は、年々増え続けています。

 

3月にはこんなニュースもありました。

介護施設の高齢者虐待408件 過去最多を更新

 

介護施設だけでなく、福祉関係の施設、事業所、また病院など、虐待の問題は他人事ではすまされないほど、深刻な問題だろうと思います。

 

「もし虐待による事件、事故が起きてしまって、報道でもされて公になったら一瞬ですべての信頼を失い、大変なことになる」

 

これはご相談いただいている事業所の経営者の方の言葉です。

 

本当に職場にとってはリスクの高い問題だろうと思います。

 

職員研修の内容ですが、私は基本的に「虐待が起きるのは、援助職個人の問題ではなく職場の問題」という考えですので、それに基づいた内容にしていくつもりです。

 

大切なのは、職場から「暴力的なコミュニケーション」を排除することです。

 

「暴力」って、叩く、殴る、蹴るなどの「身体的暴力」だけではありません。

 

感情的になる、高圧的に振る舞う、脅す、威嚇する、大きな声を出す、無視をするなど、相手に苦痛を与える(怖い思いをさせる)言動が「暴力的なコミュニケーション」です。

 

あなたの職場はどうですか?

 

意見が合わないだけで不機嫌になり、相手に不快な思いをさせる人はいませんか?

 

思った通りに人が動かないと、「おまえはヤクザか?」と思うほどに強い怒りをぶつける人はいませんか?

 

人の話を聴かず、自分の言いたいことだけを一方的にぶつけて話を終える人はいませんか?

 

大きな声で強く自己主張する人の意見が通りやすいなんてことないですか?

 

この暴力的なコミュニケーションが日常的になっている職場は、確実に虐待のリスクが上がります。

 

なぜか?

 

それは、怒りは強いものから弱いものに向かいやすいからです。

 

例えば、部長が社長から強く叱責を受けたとする。

 

部長は社長のきつい言い方に腹を立てるも、社長に言い返せない。

 

だから強い怒りを溜め込み現場に戻り、今度はそこで主任に接する。

 

そこで主任がミスの報告をする。

 

「おい!ふざけんな!」

 

なんて、溜め込んだ怒りが主任に向かう。

 

主任はあまりに厳しい部長の言い方に腹を立てるも言い返せない。

 

そして、そこでちょうど下請け業者から「不手際により納品が遅れる」という謝罪の電話が入る。

 

「どうなってんだ!ちゃんとやれ!」

 

今度は主任が下請け業者にブチ切れる。

 

こうやって、怒りって強いものから弱いものに流れます。

 

イメージ沸きますよね?

 

皆さんもありませんか?

 

職場で嫌なことがあって、本当は同僚に対して怒っているのに、帰宅してから子供や旦那さんにきつく当たってしまうとか

 

ファミレスでオーダーのミスをした店員に感情的になってしまうとか

 

怒っている目の前の相手は、実は本当に怒りたい相手ではない

 

こういうことありますよね?

 

これを対人援助職の現場で置き換えると、わかりますよね。

 

職場の人間関係で強い不満、怒り、悲しみなどを慢性的に蓄積していることのリスク

 

その怒りはどこに向かいますか?

 

職場で怒りをぶつけやすい相手は誰ですか?

 

そうです。

 

いますよね。

 

弱い立場の人たちが。

 

怒りをぶつけやすい人たちが。

 

こうやって、職場の暴力的な人間関係で蓄積した怒りが、利用者さんに向かう。

 

職場の暴力的なコミュニケーションの被害を、利用者さんが受ける。

 

だから虐待のリスクが上がるんです。

 

怒りをぶつける行為って、怒りを癒す行為でもあります。

 

相手にその怒りをぶつけて、一時的に怒りがおさまりスッキリするわけです。

 

つまり、職場の人間関係で生じたストレスを、利用者さんに癒してもらっているんです。

 

でも、本当は逆でないといけないんですよ、言うまでもなく。

 

利用者さんや患者さんとの関係で生じたストレスを、職場の仲間のサポートで癒す。

 

これができないことが問題なんです。

 

「虐待をやめましょう!」「十分に気をつけましょう!」

 

こうやって注意喚起をすることはもちろん大事ですけど、問題の本質に気づかないとダメですよ。

 

だって、虐待はよくないことくらい、頭ではみんなわかってるんですから。

 

頭でわかっていてもやっちゃうんですよ。

 

「ついカッとなってやってしまいました…」

 

これって、事件起こす人がよく言ってるじゃないですか。

 

頭でわかっていても、感情的になって暴力を振るってしまうことがある。

 

きつい言い方をしてしまうことがある。

 

だから、個人頼みじゃだめなんです。

 

職員への注意喚起だけではだめなんです。

 

虐待をなくすために、職場が変わるんですよ。

 

バウンダリーを学び、お互いを尊重し、暴力的なコミュニケーションを排除する。

 

職員の安心、安全を確保する。

 

そうやって安全が守られるからこそ、何度も同じ話を繰り返す利用者さんの話を穏やかに聴けたり、

 

高圧的な患者さんにも気持ちの余裕を持って対応できたりするんですよ。

 

職員研修のご依頼など、ぜひお気軽にお問い合わせください。 


セミナーのご案内

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