こんにちは。
エイダーズ山崎正徳です。
保育士「9年働いて残業代ゼロ」勤務先からは定時の打刻求められ…過酷な環境語る
https://www.bengo4.com/c_5/n_5903/
このサイトを見て、今日の記事を書いてみようと思いました。
テーマは「対人援助職の熱意」と「熱意に依存して敬意を欠く職場」です。
過酷な環境は、「責任感の強い援助職の熱意」により成立している。
保育士さんの働く環境の悪さ、給料の安さなんて、今さらわかったことじゃない。
保育士を目指す人なら、ちょっと調べれば簡単にわかることですよね。
それでも、保育士になりたいという人はいる。
待遇が悪かろうがなんだろうが、子どもが好きで、職業にしたいという人がいる。
保育士という仕事をしたいという、強い熱意ですよね。
だから、保育士さんたちは、過酷さや待遇の悪さを受け入れて仕事を選んだ。
仕事を持ち帰り、十分な休憩もとらず、体調を崩しながら働き続ける。
みんなやってるから。
それが当たり前だから。
不満に思っても仕方ないし、上司も先輩もやっている。
私もがんばろう!
それに、私が辞めちゃったら子供たちはどうなるの?
保育士不足だからこそ、私がやらなければ!
こう思って一生懸命にこなすわけです。
過酷な環境が成立しているのは、それでも働くことを希望する保育士さんがいるからです。
だから、システムで見ると、過酷な環境は保育士さんたちの熱意に支えられ成立していると見ることができます。
そんな過酷な環境を受け入れた保育士さんが燃え尽きるのって、簡単です。
それは、自分のがんばりが報われない時
よくありがちなのが、経営者や職場側が、完全に保育士さんたちの熱意に依存してしまっているパターンです。
仕事の持ち帰りは当たり前
うちで働くならこれくらいやるもんだ
保育士の給料なんて、どこにいってもこんなもんだよ。
もっと働いて、任せられるようになってほしい
こうやって、大変な日々を送る保育士さんの感情や内面に関心を示さなくなる
日々強い葛藤を持ちながら働く保育士さんにとって、そんな環境がまるで当たり前かのうように上の人たちに振る舞われると、
より葛藤は強くなりますよね。
わかってもらえてない
ちっとも感謝されてない
どれだけ大変だか伝わってない
こうやって、自分の存在意義を見失っていきます。
対人援助職の職場は、まさにこんな環境ばかりだと思いますよ。
塾の講師や旅行の添乗員なども、非正規雇用の熱意溢れる人たちに支えられているはずです。
その熱意に感謝し、敬意をあらわし、きちんと関心を示して大切に扱うのか
それとも、「うちはこれが当たり前」「この業界では常識」と上から目線で接するのか。
そのスタンスの違いが、大きな大きな違いをもたらすんですよ。
職員たちの熱意に依存してることに気づいてますか?
感情や内面に関心を持ち、敬意をもって接していますか?
熱意の強さ、思い入れの強さ
これって、満たされたないとある瞬間に強い怒りや悲しみに変わることがあるんですよ。
こういう怒りが爆発して、非常勤をはじめとした下の人たちが、上層部を完全に支配している職場もけっこう多いですよね。
加害と被害が逆転するんです。
長い間傷ついてきた人の怒りが爆発し、今度は自分が相手を傷つける、加害と被害の逆転現象です。
「うちは怖い人ばかりで、何も言えませんよ」
なんて言ってる経営者や管理職の人たちにもたくさん会ってます。
退職者が減らず、人手不足で困っているなら、こんな当たり前のところから目を向けてみると良いと思いますよ。
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