こんにちは。
エイダーズ山崎正徳です。
「ほんとに納得いかないんですよねー。なんか、せっかく職場がひとつにまとまってきていると思ったら、そういう時に限って上の人がチームをシャッフルしたりするんですよ」
「それで現場は混乱するでしょ、当然ですよね。なんか、うちはそういうのがずーっとなんですよ。常に混沌。ようやく安定してきたなと思うと必ず壊されるんですよ、上の人に」
こんな職場の話を聴いたことありませんか?
けっこう多いんですよね、こういう話。
現場からすると、あまりにも不可解な組織編制。
とてもうまく仕事が回っていて、結果が伴ってきている。
人間関係も安定していて、コミュニケーションもスムーズ。
明るく楽しく、仕事ができている。
働きやすい環境だ!と思ったそんな矢先に、崩される平穏な生活。
そして迎えるのが混乱、混沌、不安…
「いつになったら落ち着いて働けるんだろう」
「がんばってもがんばっても報われないな…」
労働者の気持ちが萎える瞬間です。
「まあ、上には上の考えがあるんだろう」
そうやって必死に自分に言い聞かせても、どうしても同じことを繰り返されてるようにしか見えない。
無力感、不全感
こんな言葉がぴったり合うんですよね、そういう時は。
まあ、本当に職場の事情があることもあるんでしょうけど
すべてがそうではないと思うんですよね。
なぜなら、こういうことって、人間関係、親子関係で本当によくある事象のひとつだからです。
例えば、不安が強くて自信がもてない母親の場合
「子どもにいつまでも頼ってほしい」
「私のことを必要としてほしい」
こう思うがゆえに、子どもがいつまでも自立できないような動きを親がとってしまう
あれこれと口を出して過保護になり、子どもが一人でできることもやらせない
あれができてない、これができていない、と「できていること」よりも「できていないこと」を指摘する
そうやって、「あなたにはお母さんが必要だ」という関係を作り出しちゃうことがあるんですよ。
子どもがお母さんを必要としてくれれば、母親は安心できるわけです。
こういう場合、子どもは「ひとりでできるのに」「ほっといてよ!」などという思いの一方で自信が持てず、無力感や不全感を覚えやすくなります。
さて、話を戻すと、職場ではどうでしょうか。
「もっとおれのことを必要としてほしい」
「みんな仲良さそう。私のことなんて必要ないのかな?なんだか寂しいなー」
こうやって、経営者や管理職が同じように不安を強く感じやすかったり、自信が持てなかったりする場合、
「自分が必要とされている関係性」を作り出してしまうことがあります。
いわゆる共依存の関係です。

だから、社員が仲良く安心して良い仕事をしてると、寂しくなって壊したくなる。
「みんな緊張感が足りない!」
「私語が多い!やる気あるのか!」
こんな理由つけたりしますよね、そういう人は。
当然ながら、共依存の関係に巻き込まれる社員は疲弊します。
自立したい、成長したい、任せてほしい
こうやって、ひとつ上に進もうとしている時や、安全を感じて仕事をしている時に
不可解な組織編制や必要以上の干渉などで安全を脅かされたり、自立を阻まれたりするわけです。
不全感、無力感に悩まされることになります。
こうやってエネルギーが低下し、不安そうに仕事をしていると「おれの出番だ!」と逆に元気になる上司。
なんとも皮肉な話ですが、実際にこういうことは職場で起きるのです。
職場で管理職になったり、それなりのパワーをもったりする場合、
自分の性格的な特徴がどのように部下、同僚や利用者さんなどに影響しやすいのか
よく整理しておかないと本当に危険なのです。
不安が強いと、相手への期待や思いが強くなります。
自分の不安を癒してもらうことを無意識に相手に求め、それがコントロールになるのです。
自分の不安を癒すために配置転換などを行う。
それに振り回され、不安や不信感でいっぱいの現場の職員を見て不安を癒す。
なんとも残念な現象ですね。
経営者、管理職の方には、こんな残念な形で職員のモチベーションを下げてしまわないよう、このブログを通して学んで頂きたいなと思います。
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