「利用者さんにどうしてもイライラしてしまい優しくできません。私は介護職失格でしょうか?」と自分を責めるあなたに伝えたいこと。

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。 

 

今日は、利用者さんや患者さんについイライラしてしまうことがあり、そんな自分のことを責めてしまっている援助職の方に向けて記事を書きます。


ある介護職の悩み

 

利用者さんにどうしてもイライラしてしまいます。

 

最近優しくできません。


よくないことだとはわかっているのですが、どうしても忙しいときに何度も声をかけられたり、余裕がなかったりすると、ついつい。


私は介護職として失格なのではないかと自分を責めてしまいます。


皆さんはどうしてますか?

セミナーやカウンセリングなどで、こんな悩みを持つ方によく出会います。

 

介護職の方は、慢性的に強いストレスにさらされている方が本当に多いです。

 

人手不足は当たり前で、サポートし合える人間関係とはいえない(というか、人間関係は常に悪い)、不規則な生活、安い賃金、体調は常に悪いし腰も痛い、利用者さんからの暴言やセクハラ、家族からの理不尽な要求、やっと入った新人が全くやる気がなくてすぐに辞める、などなど

 

ストレスのもとをあげればキリがないはずです。

 

慢性的な不眠で悩んでいたり、家に帰ると過食が止まらないなど、明らかに健康や生活に支障が出ている方も珍しくはありません。

 

そんなストレスの高い環境で毎日働いていれば、当然ですが精神的なゆとりは少なくなり、気持ちをコントロールをすることは難しくなりますよね。

 

そんな中で、毎日分単位で優先順位をつけて動く。 

 

本当に大変なことです。 

 

利用者さんから何度も何度も大きな声で呼ばれたり、他にもスタッフはいるのに集中的に指名されてあっちもこっちもやらなければならない。

 

人手不足の上にやる気がないスタッフも多くて、真面目に働くあなたにどうしても仕事が集まります。

 

苦しいですよね。

 

それでも、あなたはプロの介護職としての自覚を持ち、毎日毎日がんばってきました。

 

弱音を吐かず、利用者さんには笑顔で接し、常に前向きで明るく振る舞う。

 

本当にがんばっていると思います。 

 

そんなあなたですが、ここ最近、前のようにうまく感情をコントロールすることが難しくなってきています。

 

特定の利用者さんに呼ばれるたびにイライラして仕方がなくて

 

その利用者さんがよく話す学生時代の登山のエピソードも、最近は穏やかに聴くことができなくなってきました。

「またその話?忙しいんだからいい加減にしてよ」

 

「頼むから今話しかけないで!」

 

心の中はいつもこんな感じ。

 

そこまでの態度に出ないものの、はっきりとイライラを自覚しながら接するようになっています。

 

いつも笑顔で対応したいのに

 

常に落ち着いて対応できる介護職でありたいのに

 

こうやって、自分のイライラをコントロールできない状況で仕事をするのは本当に大変なことだと思いますが、そんな自分をさらに責めてしまうのも、苦しく辛いことです。 

 

あなたは、本当に真面目で一生懸命な方です。

 

介護職としてとても真剣で、責任感の高い方なのだと感じました。

 

今日は、そんなあなたの悩みである「利用者さんにイライラしてしまう私は介護職失格ですか?」について、大切な話をしたいと思います。

 

※関連記事

 

怒りが強い時に試してほしい、スッキリできる「怒りのエネルギー放出方法」


ノーマルな感情を肯定せずに抑圧することのリスク

 

普段同じようなお悩みを抱える方に共通することとして、「自分自身のノーマルな感情を肯定できない」という特徴があります。

 

あなたもそうではないですか?

 

「ノーマルな感情を肯定する」とは、自分がイライラしている時に、イライラという感情が生じていることを認めて受け入れることです。

 

「あー、今日はイライラするなー」

 

「さすがにあれだけ何回も声をかけられるとイライラするよね」

 

こんなふうに、自分に生じる感情をそのまま認めます。 

 

上手に同僚や仲間に愚痴を言える人は、自分に生じた感情を肯定しているから「イライラした」「嫌なことがあった」と言えるわけです。

 

自分に生じている負の感情を認めるからこそ、運動をしたり美味しいものを食べたりして、「嬉しい」「楽しい」「楽」「安心」などのポジティブな感情を増やし、精神のバランスをとろうとするのです。 

一方で、「ノーマルな感情を肯定しない」とはどういうことでしょうか?

 

「イライラする」ことがあっても、「イライラしてはいけない」「プロの介護職なんだから、こんなことで怒るなんてあり得ない」のように、ノーマルな感情を認めず受け入れません。

 

「今日すっごくイライラしちゃってさー、聴いてよー」と同僚に語る機会も減ります。

 

「ストレスが溜まってるからマッサージを受けてのんびりしよう」と、自分をいたわる行動も少なくなります。

 

「こんなことでイライラしちゃいけない!」「ちゃんとやらなきゃ!」と自分に厳しいメッセージばかりを投げかける。

 

これが今のあなたの状態に近いのではないでしょうか?

 

このように、「ノーマルな感情を認めずに抑圧する習慣」がつくと、あなたのイライラはいつまでも癒されることがなく、むしろどんどん大きくなります。

 

感情は抑圧すればするほど爆弾のように大きくなっていき、コントロールが難しくなります。

 

つまり、あなたがイライラする自分を許せないと思うほど、イライラのコントロールができなくなり、「なりたくない自分」になる。

 

そして、そんな自分をさらに責めるあなたは、より自分に厳しくなり感情を抑圧します。

 

※関連記事

 

「思考」と「感情」の違いがわからないと、ストレスが倍増する!


まずは「イライラする自分」を許し、受け入れることから。

 

そんなあなたが、今よりも穏やかに利用者さんに対応できるようになるために必要なこと。

 

それは、まずはイライラする自分の感情を肯定すること。

 

これが初めの一歩です。

 

感情はあなたの状態を把握するための重要なシグナルです。

 

危険なことがあれば「怖い」と感じるから逃げる。

 

安全な場所があれば「安心」「ほっとする」と感じるからそこにいる。

 

あなたが健康でいるために、あなたの感情はとても重要な役割を果たしているのです。

 

つまり、イライラを受け入れることは、あなた自身の状態を把握するために、健康を管理するために必要なことです。

 

だからこそ、まずはイライラする自分をあなたが許してあげること。 

あなたは介護職失格なんかではありません。

 

その感情は、誰にでも生じるノーマルなものです。

 

「あー、私は今日とってもイライラしたな」

 

こうやって認める。受け入れる。

 

ここから始めましょう。


「感情を肯定すること」と「感情的になること」は別である。

 

最後に、さらに確認してほしい話をします。

 

「感情を肯定すること」は「感情的になること」ではありません。

 

そうか!私だってイライラしてもいいんだ!と「イライラを受け入れること」と、「そのイライラを利用者さんやスタッフにぶつけて発散すること」は別なので注意してください。

 

イライラを受け入れて認めることは、イライラが行動に影響を及ぼさないよう適切に管理するために必要なタスクです。

 

自分のイライラは認める。

 

認めた上で、上手にコントロールし、仕事や人間関係、健康への影響をできるだけ少なくする。

 

そのための「感情を肯定する」であることを確認してください。

 

もしあなたのイライラがすでにコントロール不能で、日常の生活に大きな支障が出ているようであれば、今すぐに専門家を頼ることをお勧めします。

 

ぜひカウンセリングを受けてください。

 

また、感情やストレスとの付き合い方について、より深くじっくりと学びたい方には、以下の動画、またはブログ集がお勧めです。

 

◆感情との付き合い方が学べるセミナー動画◆

感情のコントロールができず、毎日毎日本当にしんどい思いをしているあなたに今すぐ届けたい、「感情についての大切な話」~動画で学ぶ!感情調節スキル~

 

◆ストレスが減る人間関係の距離感が学べるセミナー動画◆

ストレスが減る人間関係の距離感がわかる!対人援助職のためのバウンダリー(境界線)セミナー


セミナーのご案内

◆ストレスが減る人間関係の距離感がわかる!対人援助職のためのバウンダリー(境界線)セミナー【入門コース】 平成31年5月24日(金) 定員5名 詳しくは こちら

 

◆ストレスが減る人間関係の距離感がわかる!対人援助職のためのバウンダリー(境界線)セミナー【実践コース(共依存の関係)】 平成31年6月21日(金) 定員5名 詳しくは こちら

 

◆ストレスが減る人間関係の距離感がわかる!対人援助職のためのバウンダリー(境界線)セミナー【実践コース(支配・被支配の関係)】 平成31年7月12日(金) 定員5名 詳しくは こちら


ブログテーマ


初めに読んでほしいお勧めブログ記事

 

◆なぜ援助職の現場で虐待が起きるのか、「巨人の星」で説明します!

 

◆「NGT48事件」から学ぶ、対人援助職の共依存がもたらす、離職・燃え尽き問題の構造と対処法

 

◆職場の喧嘩を上司のあなたが「仲裁しよう」としているから、いつまでも問題が解決せず繰り返されるんですよ。

 

◆教えてくれない職場は、「教えること」を教えないから「教えられる人」が育たない。

 

◆「思考」と「感情」の違いがわからないと、ストレスが倍増する!

 

◆職場のスタッフの本当の悩みに経営者のあなたが気づかない限り、人材不足などの問題はなくなりませんよ。

 

◆あなたの職場ですぐに新人が孤立するのは、「業務内容」は教えても「職場の小さな当たり前」を教えていないからではないですか?

 

◆共依存タイプの上司は、部下の自立を嫌い、部下の依存や不安を好む。

 

◆鳥取県養護学校の看護師一斉退職に見る、対人援助職の使命感の強さが生む「依存」と「機能不全」

 

◆バウンダリー(境界線)基礎講座1日目「人間関係の大原則が学べるバウンダリー(境界線)とは?」

 

◆働きやすい職場にしたければ、「相棒」の杉下右京を見て学べ!

 

◆悪質なクレーマーやモンスター患者対応の基本は、職場としてのバウンダリー(境界線)を強化すること!

  

◆自分のことを長い目で見れば、今のあなたの弱みなんていつかは強みに変わるという話