昇進が早い対人援助職は、職場で実力以上のパワーを持つから、自分の問題を「否認」しやすくなる

 

こんにちは。

 

エイダーズ山崎正徳です。

 

今日は、「対人援助職あるある」の話をします。


昇進を機に嫌われた、ある介護職の話。

前に、とある地方に勤める援助職の方から、お酒の席で相談を受けました。

 

その職場に勤める5年目の職員Aさんが、周囲から嫌われてしまい職場の雰囲気がかなり悪くなっているとのことです。

 

聞いてみると、その職場はいわゆる介護サービスを提供している事業所なのですが、

 

もともと職員の回転は早くて、ほとんどが1~3年くらいで退職していくそうです。

 

なので、もうすぐ職場で5年のキャリアを迎えるAさんは、その職場ではいわゆる「ベテラン」になります。

 

ただ、Aさんは介護福祉士としてのキャリアをその職場でスタートさせているので、職場ではベテランでも、援助職としてのキャリアはまだ浅いということになります。

 

そんなAさんが嫌われてしまったのは、1年前に役職についたことがきっかけのようです。

 

そこまで聴いただけで、私はその先の展開が簡単に想像でき、「なるほど!そりゃそうなるね」と納得してしまいました。

 

対人援助職の方は、ここまで聞いて今後の展開がわかりませんか?

 

これって、どの職場でも見られる、本当に本当に典型的なパターンなんですよ。


援助職の現場って、退職者の多さは多くの職場でみられる共通点なのではないかと思います。

 

1年に何人か辞めていくのが当たり前の光景であり、文化として定着している職場って少なくないですよね。

 

そうすると、いったい何が起きるのか?

 

そうです。

 

昇進が早くなります。

 

まだ援助職としてのキャリアが浅く、自身も勉強をしていかないといけないタイミングで、新人を教育したり、必死にシフトを組んだり、ありとあらゆる管理業務がふってきます。

 

これで大きくモチベーションを落としたり、体調を崩したり、そして人間関係のトラブルに発展したり。

 

それで結局、昇進して1年くらいで辞めていく。

 

こんなことも珍しくないんですよ。


さて、問題のAさんに何が起こっているのか。

 

Aさんは、他の職員からこんなことを言われているようです。

 

「やたら威張っている」「偉そう」「勘違い野郎」「自分のことは棚に上げて人のことばかり言う」

 

この言葉だけでも、どれだけ部下から嫌われているかがわかります。

 

実際に、Aさんはとても威張っていて、偉そうにものを言うそうです。

 

人のミスを指摘したり、強く指導をするようですが、周りから見ると「自分はどうなの?」「人に言えるレベルなの?」

 

と言いたくなってしまうようなのです。


私は、なんだかAさんのことがとても気の毒になりました。

 

Aさんにとって早すぎた昇進は、Aさんに「実力以上のパワー」を与えてしまったことになりますよね。


大切なのは、「パワー」を与える職場がそのリスクを把握すること。

 

職場での役職は「パワー」です。

 

時に、そのパワーは人に万能感を与えます。

 

謙虚さは奪われ、自分がとても優れている感覚に満ちます。

 

周りよりもできるという感覚。

 

とても心地よい感覚。

 

ただし、

 

万能感に満ちた人は、こう言われます。

 

「勘違い野郎」

 


加えて、パワーは「武器」にもなります。

武器の扱い方をきちんと知らないと、どうなりますか?

 

子どもに鉄砲を持たせたらどうなりますか?

 

事件になりますよね。

 

だから、「役職につける」「パワーを与える」という意味をきちんと理解しないと、職場で事件が起こるんです。


対人援助職の職場って、なんとなく「次は私かな」みたいな形で昇進していくだけで、きちんと求められている役割とか、指導を受けないことが多いですよね。

 

パワーを与えるリスクを職場がきちんと把握していないから、こういう問題が起きるんです。


Aさんの被害は大きいですよ。

 

自分の問題に目がいかなくなるんですから。

 

「あの人はダメ」「彼はわかってない」「またミスをした」

 

頭には人のことばかり。

 

主観の塊になります。

 

自分のことを振り返る習慣がなくなる。謙虚に仕事をしなくなる。

 

自分の問題を認めない、「否認」が強固になります。

 

だから「勘違い野郎」と言われるんです。


職場が問題を否認することで、Aさんが嫌われ続けるシステムが出来上がる。

 

こうなると、次に「否認」するのは職場の方です。

 

Aさんの問題を「職場の問題」として認めないということです。

 

Aさんに対応するのが面倒なので、Aさんを悪者にしておくことでシステムを維持しようとします。

 

Aさんの犠牲のもとに成り立つ職場のシステムが構築されるということです。

 

こういう職場は、パワハラ、いじめ、退職などが常態化しますよ。

 

だから、Aさんが気の毒なんです。


実際、私自身も初めて役職についたのは28歳の時で、その職場ではまだ3年目でした。

 

しかも、「部下はほぼ全員年上」という、今考えてもすさまじい環境だったなと思います。

 

当時の私も誰かしらに絶対言われてたでしょうね。

 

「勘違い野郎」って。

 

はい、すいませんでした。


ブログテーマ


初めに読んでほしいお勧めブログ記事

 

◆ストレスに強くなる!人間関係の境界線の引き方 

 

◆なぜ援助職の現場で虐待が起きるのか、「巨人の星」で説明します!

 

◆「NGT48事件」から学ぶ、対人援助職の共依存がもたらす、離職・燃え尽き問題の構造と対処法

 

◆職場の喧嘩を上司のあなたが「仲裁しよう」としているから、いつまでも問題が解決せず繰り返されるんですよ。

 

◆教えてくれない職場は、「教えること」を教えないから「教えられる人」が育たない。

 

◆「思考」と「感情」の違いがわからないと、ストレスが倍増する!

 

◆職場のスタッフの本当の悩みに経営者のあなたが気づかない限り、人材不足などの問題はなくなりませんよ。

 

◆あなたの職場ですぐに新人が孤立するのは、「業務内容」は教えても「職場の小さな当たり前」を教えていないからではないですか?

 

◆共依存タイプの上司は、部下の自立を嫌い、部下の依存や不安を好む。

 

◆鳥取県養護学校の看護師一斉退職に見る、対人援助職の使命感の強さが生む「依存」と「機能不全」

 

◆バウンダリー(境界線)基礎講座1日目「人間関係の大原則が学べるバウンダリー(境界線)とは?」

 

◆働きやすい職場にしたければ、「相棒」の杉下右京を見て学べ!

 

◆悪質なクレーマーやモンスター患者対応の基本は、職場としてのバウンダリー(境界線)を強化すること!

  

◆自分のことを長い目で見れば、今のあなたの弱みなんていつかは強みに変わるという話

 

◎こちらのホームページでもブログを書いています!◎

共依存を克服するカウンセリング【東京・新宿】