こんにちは。
エイダーズ山崎正徳です。
今日から何回かに分けて、「引き継ぎ」について語ってみたいと思います。

引き継ぎって、すごくその人の特徴が出やすいなというのが私の印象です。
そして、引継ぎの時期は、必ずと言っていいほど何かしらのトラブルが起きます。
「ちゃんと引き継いでくれない!」
「何もやってないで丸投げされた!」
あなたの職場でもありませんか?
引継ぎにおけるトラブルでありがちなのが
引き継ぐ側がパワーを持っている時のトラブル
引き継がれる側がパワーを持っている時のトラブル
パワーを持っている側が、引継ぎする際に、
何らかの個人的な感情により、引継ぎをしづらくしたり、引き継いだ後の仕事がしづらくなる
これを「引継ぎハラスメント」
略して「ヒキハラ」と名付けます。
何らかの個人的な感情というところがポイントで、ただの説明下手だったり、引継ぎの要領が悪くて迷惑をかけてしまうことは含みません。
そして、いわゆる意図的な嫌がらせだけに限らず、個人的な感情が行動につながるがゆえに、結果として嫌がらせに思えてしまうというのも特徴です。
今回は、「引き継ぐ側」によるハラスメントについて。
「後任よりも私の方が良かった」と思ってほしいがゆえの、「私が必要とされるための引き継ぎ」

仕事を引き継ぐということは、サービスを受けているお客さんのためであったり、職場のためであるのが当然だと思いますけど、なんだか「自分のための引継ぎ」をしている人がけっこういるんですよ。
「自分のための引継ぎ」なので、当然お客さんのためにもならない、後任のためでも職場のためにもならない、そんな引継ぎです。
今日紹介するのは「見捨てられ不安型ヒキハラ」です。
「共依存型ヒキハラ」っていう名前でもいいんですけど、「見捨てられ不安」というのがより具体的かなと。
何かというと、自分が担当していたお客さんなどに「私は後任より優れている」と思ってほしくて、その思いの強さに負けて偏った引継ぎをしちゃう人ですよ。
例えば、AさんがBさんに引き継ぐとして
引き継いだ後に「Aさんの方が良かったよね」「Bさんはなんだか物足りないよね」なんて言ってほしいんです。
逆に、Bさんがお客さんとうまくやっているのを見ると、「私なんて必要じゃなかったのかな?」「見捨てられたのかな」みたいに、強い不安に襲われる。
だから「Bさんのサービスが悪い。Aさんが良かった」なんてクレームが入ったりしたら、嬉しくなる。
「認められてる!必要とされてる!」と気分がよくなるのです。
ただ、こう思ってしまうこと自体は別に責められるべきことでもなく、ハラスメントではありません。
そんな気持ちはありながらも、ちゃんと引継ぎをすれば、それは責任を果たしたことになります。
でも、時には必要とされたいがゆえに、意図的または無意識に「自分が必要とされるような引継ぎ」をしてしまう人がいます。
引き継ぐべき大事なことを教えなかったり、「けっこう色々あるんで伝えられないから、やりながらなんでもきいてね」なんて言って、敢えて情報を小出しにしたりすることもあります。
また、お客さんにBさんを紹介する際に、Bさんを明らかに格下扱いするような、子ども扱いするようなことを言うというやり方もあります。
「Bをよろしくお願いします!まだ経験が足りない面もありますが、熱心さが取り得ですから!」とか。
Bさんからしたらたまらないんですよね。
普通に紹介してくれてばいいのに、お客さんを不安にさせるようなことを言われてしまうのです。
管理職の方は、ぜひこのタイプが疑われるような方がいたら、きちんと引継ぎがなされているかこまめに確認をした方がいいですよ。
後任をどう相手に紹介するかまで、指示を出しておくことをお勧めします。
今日は「見捨てられ不安型ヒキハラ」についてでした。
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