対人援助職の現場で起きる、関係機関との「暴力加害被害の逆転現象」

こんにちは。

 

AIDERS山崎正徳です。

 

前にセミナーを行った際に、病院に勤める方から興味深い話がありました。

 

興味深いというよりも、福祉の分野で務めた経験のある人なら、いわゆる「あるあるネタ」だと思います。

 

何かというと、担当する患者さんのことで、関係機関と電話で連携した際に、

 

関係機関の担当者から電話でひどい叱責を受けて落ち込んでしまったということです。

 

関係機関の期待する対応を病院がしなかったことで、感情的に責め立てられる。

 

しかも、電話で、顔もわからない相手から、一方的に。

 

怖いですよね。

 

傷つきますよね。

 

これって、病院に限らず対人援助職の現場ですごく多いんですよ。

 

感情的なやりとり。

 

私も医療機関で勤務した経験がありますので、同じように被害を受けたことはあります。

 

その時は同じくとても落ち込みました。

 

同時に、「なんであそこまで責められないといけないんだ?」と怒りの感情もわいてきました。

 

ただ、責められる時って、まだ自分に経験がなくて

 

自信のなさが相手に伝わるからこそ、

 

ここぞとばかりに責め立てられたりしやすいんですよね。

 

だから、相手への怒りを覚えながらも、自分への情けなさが強くなりやすいんです。

 

そして、「早く経験を積んで、うまく連携できるようにしよう」とか自分に言い聞かせて気持ちを整理します。

 

加えて、先輩や同僚に報告し、慰めてもらいます。

 

「あそこは態度悪いよね。何にもわかってないんだから」

 

「気にしなくていいよ。よくあることだし」

 

こんなふうに慰められます。

 

さて、なぜ私がこの話を興味深いなと感じたかというと、

 

私が経験を積んでいくうちに、この問題について全く別の見方をするようになったからです。


少し脱線しますが、「DVの被害と加害の逆転現象」ってご存知でしょうか。

 

例えば、夫から毎日のように暴言を受けていた妻が

 

ある日ワイドショーで高橋ジョージ・三船美佳夫妻の報道を見る。

 

モラハラという言葉に興味を持ち、本を買って読んでみると…

 

「あれ?うちに当てはまらない?もしかして…私もモラハラ受けてる?DV?!」

 

こうして、妻は初めて自分が長年にわたり夫からDVを受けていたことに気づく。

 

ここから、妻の反撃が始まります。

 

「私は被害者。あなたは加害者。近所や会社に言いふらされたくなければ言うことききなさい!」

 

みたいに、今度は妻が夫を支配するのです。

 

夫は、毎日のように妻から暴言を浴びせられ、苦しめられることになります。

 

こうやって、暴力の被害加害は、逆転しやすいんです。

 

その時の状況でかわるがわる連鎖していきます。

 

どちらかが土俵から降りて、関係性を変えていこうとしない限り、

 

この関係はずーっと続くんですよ。


さて、本題に戻ります。

 

病院と関係機関の話です。

 

「自分が経験不足で叱責を受けた」という主観を捨てて、視野を広げてみてみましょう。

 

起きていることを客観視しましょう。

 

病院と関係機関の間で、長年にわたり、どのような関係が築かれていたのでしょうか?

 

もしかしたら、暴力の加害被害の関係は連鎖していなかったか?

 

今回自分を叱責した担当者は、自分の職場から被害を受けたことはなかったか?

 

もしそうだとしたら、その時の怒りがたまたま電話に出た自分に向いたのでは?


どうでしょうか。

 

こんな仮説が立ちませんか?

 

実際、福祉の現場での連携って、すごく摩擦が生じやすいんですよね。

 

そこで、きちんと関係性を評価していければいいんですが

 

「あそこはわかってない」の一言で済まされて、

 

一触即発の関係や、冷戦のような関係が慢性的に形成されることって少なくないと思います。

 

そして、その関係性を職場の課題として扱わず、放置されることで、今回のように思わぬ攻撃を受けて傷つく人が出ます。

 

そして、被害を受けた人が怒りをずっと覚えていて、

 

経験を積んでから仕返しをするなんてことはよくある話です。

 

今度は加害者になるんです。


DVの加害被害の関係を終えるには、どちらかが先に土俵から降りることです。

 

力で相手をコントロールする関係、コントロールされる関係をやめることです。

 

そのためにも、まずは正しい知識を身に着けること。

 

問題の見方を学ぶこと。

 

主観を捨てて、関係性を俯瞰して見ること。

 

これがとても大切です。

 

援助職の現場で、まさに求められる力でしょう。


こうやって、家族システム論を切り口に問題を俯瞰して見るやり方を学ぶだけで、

 

ひとつの問題をあらゆる角度で検証できます。

 

今回のように、本来は自分が負うべき責任でないことまで

 

背負ってしまっていることにも気づけますので、ストレスを減らすことも可能ですよ。

 

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