こんにちは。
エイダーズ山崎正徳です。
今さらながら、豊田真由子議員の秘書への暴行問題について語ってみます。
幼少期の家族とのコミュニケーションを振り返ってみましょう。
私は、程度の差こそあれ、ああいうふうに人を傷つけることが習慣になっている人とよくカウンセリングをするのです。
昨日も、「社員に厳しくしてしまってどんどん人が辞めていく」という会社の経営者の方のカウンセリングをしました。
「教えたとおりにしないからきつく言っている」
「どうしてそんなこともできないんだ?と思って怒る」
皆さんそう言います。
確かに、そうなんでしょうね。
教えたとおりにしないんでしょう。
能力が低い社員もいるんでしょう。
そんな方に私がする質問があるんですよ。
私が豊田議員とカウンセリングをする場合も、こんな質問をするんじゃないかな。
それは
あなたは子どもの頃に、親からどれだけの自己主張のパターンを教わってきましたか?
例えば、あなたが学校に遅刻しそうになる時、親はどのようにあなたに早く準備するように伝えましたか?
笑いながら「早くしないと遅れるよー」と言いましたか?
ちょっとだけイライラしながら「ほら!早く!」と言いましたか?
それとも
「早くしろよ!!何度言ったらわかるんだ!!!」と激怒でしたか?

例えはその都度変えますけど、こういう質問をする。
そうすると、一番最後の「激怒されていた」を選ぶ人が多いんですよ。
それも、「いつも激怒でした」と。
ということは、親から自己主張のバリエーションを教わっていないんですよ。
伝え方には色んなやり方、パターンがあることを知らないんです。
「0か10」の極端な自己主張しかできないと、人間関係がうまくいかなくなる。
学校に遅れそうな子どもに早く準備をさせたい。
その時にどのように伝えるか
色んなバリエーションがあってもいいはずなんですよ。
伝える強さの強弱です。
0が最も弱い、10が最も強いとすると
0なら「何も言わない」
10なら「激怒して暴言を吐く。相手の安全を奪う」
その間です。
0と10の間に、色んな伝え方があるのです。
このバリエーションを教わるのって、やっぱり家庭が主だと思うんですよね。
豊田議員は「厳しい家庭で育った」と話していました。
親は豊田議員が思い通りに動かない時に、どう伝えていたんでしょうかね。
穏やかに「早くしないと遅れるよ」なんて言ってあげるコミュニケーションはあったんでしょうか。
叱る時も激しく怒りをぶつけるのではなく、「次はこうしようね」と伝えてあげることはあったのでしょうか。
両親の夫婦間のコミュニケーションはどうだったでしょうか?
父が母に一方的に怒るとか暴力をふるうような、10の強い自己主張で、母は耐えるだけの0の自己主張ではなかったでしょうか?
そうすると、子どもは「0か10の両極端な自己主張」しか学ばなくなります。
普段はニコニコと自己主張をしないいい人。
でも、相手が目下だったり、怒りをぶつけても問題ない人には暴力的な自己主張。

間がないんですよ。
あの会見もまさにそう。
間が全然ない。
神妙にしてたと思ったら急に不機嫌になる。
すべてが二択。
だから人間関係がうまくいかないのです。
感情コントロールの問題はもちろんありますが、
自己主張のパターンをもっと増やしてコミュニケーションのスキルを上げていかないと何も変わりませんよ。
あなたの職場でも同じことが起きていませんか?
これは職場でも同じことが言えます。
セミナーなどでこの話をすると、「私の職場も0か10しかありません…」と苦笑まじりに話していた方がいました。
介護や福祉、医療の現場などは「強い自己主張」が当たり前に飛び交うところが多いですよね。
強いと言えばまだ聞こえはいいかもしれませんですが、「暴力的な自己主張」とも言えるレベルが「うちの当たり前」になっている。
そんなところは少なくないと思います。
ちょっとミスすると強烈に不機嫌な顔で怒られる。
モタモタしていると、患者さんの前でもキレられる。
相手の安全を強く奪う自己主張。
そういう職場では、ただ耐えるだけの「0の自己主張の人」と、いつもキレている「10の自己主張の人」
この二つの人種しか存在しなくなる。
そこに入る新人は、「これが介護の現場でのコミュニケーションか」みたいに学ぶ。
「私も自分の意見ははっきりと強く伝えなきゃ」みたいに学習して、「はっきり強く」が暴力的になる。
3年も経つと立派な「怖い先輩」に育つ。
恐ろしいことですね、ほんとに。
だから人が辞めていくんじゃないですか?
ちょうどこんなニュースもあったので参考までに。
あなた自身の、そしてあなたの職場の自己主張を、よーく振り返ってみてください。
0か10だけになっていませんか?
職場をもっとよくしたいなら、あなたから変わってみる。
あなたから発信する。
2、3、4、5、6
色んな強さの自己主張を増やしてみる。
教えていく。
共有する。
それだけでも救われる人はいるんじゃないかな、と思います。
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